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zoom RSS 『しゃべれども しゃべれども』:舌先は三寸(さんずん)、心は千尋(せんじん)

<<   作成日時 : 2007/05/26 22:57   >>

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平山秀幸監督作品『しゃべれども しゃべれども』、レビュータイトルは「舌先は三寸(さんずん)、心は千尋(せんじん)」。

ここ数作品では演出の冴えが感じられなかった平山秀幸監督作品だったが、本作は★★★★★の秀作である。

二つ目の落語家今昔亭三つ葉がひょんなことから始めざるを得なくなった落語教室の三人の生徒との関係が徐々に変化していくさまを描く映画の王道である。

三人の生徒は、
1.表情が乏しく自分が表現できない女性
2.関西から転向してきて言葉のギャップからいじめられている小学生男児
3.的確な解説ができなくて妻の兄の焼き鳥屋を手伝わざるを得ないまでに落ちぶれる元選手の野球解説者
である。

宣伝の際のアウトラインでは、コミュニケーションギャップを埋めていくだけのストーリーかと思っていたが、さにあらず、三つ葉と三人の生徒の心が収まるべきところへ収まる映画として描かれていて、非常に心地よい。

ギャップを埋めていくとすれば、小学生男児も元選手の野球解説者も、ギャップというほどではない。

2の小学生男児は、そもそも、表現能力や本人の資質に問題があるわけでなく、ただ「関西から来た関西弁をしゃべる訳の判らん奴」と見られていたものが、「関西から来た関西弁をしゃべるけれども訳の判る面白い奴」と変遷して、これは映画物語としても非常に判りやすい。

3の元選手の野球解説者にしても、巧みな表現は出来ないまでも、その技術と教え方はわかりやすく、選択した再就職先が本人の資質とあっていなかっただけである。

しかし、1の女性は、物語が進んでも、表情が乏しく自分が表現できないことは大きな変化はない。

しかしながら、ある事件をきっかけにして、三つ葉、彼女、元選手と三人で屋台で酒を酌み交わした際に、本音が出てしまう。
心は千尋(せんじん)の深さで揺れ動いている。

彼女の心の揺れ動きがあからさまとなる落語発表会のシーンは、「落語がラブソング(告白)になるのだぁ」と図らずも泪した。
彼女は告白をした後も、表情は豊かではない。

しかし、豊かではないその表情から千尋の心を読み取ってあげることができる伴侶がいれば、無表情でも豊かな表情と変わりないのだ。

最後の最後に(少しだけ)微笑む彼女に暖かいものを感じることが出来る。
微笑まれた相手は、それを受け止めてあげることができる。

舌先は三寸(さんずん)かもしれない。心は千尋(せんじん)の深さがある。その深い心を受け止められる幸せを感じる映画である。

私としても珍しく★★★★★(5つ)としています。

平山秀幸監督の次回作『やじきた道中 てれすこ』も同じく落語ネタで興味大といったところでしょうか。
 
 

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