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zoom RSS 『不完全なふたり』:設定の甘いエチュード:DVDで鑑賞

<<   作成日時 : 2008/04/27 22:21   >>

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脚本を書かない諏訪敦彦監督がヴァレリア・ブルーニ・テデスキとブリュノ・トデスキーニのもう若くない夫婦の危機的数日を即興演出で描いた作品。
気になっていたので(特に我が妻が気になっていたので)、DVDで一緒に鑑賞しました。

さて、

設定だけは構成してのエチュード形式での映画づくりは、やっぱりダメなんじゃないの。

演出意図は判る。

夫婦の状況を固定カメラで描いて、妻あるいは夫の心の変化がある部分のみ、手持ちカメラでクロースアップ。
判り安すぎる演出技法だ(技法は排除しているのではないと思う)。

即興とはいいながら、絶対セリフも含めて脚本どおりの箇所は3つある、と思う。

1.妻が独りで初めてロダン美術館へ行くシーン。

背後で被るロダンとカミーユ・クロデールの逸話、ロダンのモデルが妊娠していた逸話、リルケの文。
夫婦のこれまでの15年間はほとんど描かれず、このシーンで、妻の寂寞感を説明している。

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2.夫が友人の結婚式からホテルへ戻った後、妻と口論して足を運んだカフェでの老人との会話。

老人が夫に「グラスの中を見つめたことはあるか」というと問いに対して、
「未来が見えるのか」と夫は答え、
「過去が見える。若いあなたなら、近い過去が見える」と老人が答える。

3.ラストの駅のシーン。

このシーンだけが映画映画している。たぶん、監督はこのシーンが撮りたくて、この作品を作ったはず。

で、このシーンは説得力があるのだけれど、その他のシーンに説得力がない。

途中まで、夫婦の生業も判らず、ましてや、最後まで15年間の結婚生活が判らないンだから。
だから即興で繰り出されるセリフにリアリティがない。
まるで、他人事のような、一般的な夫婦の危機と倦怠にしか聞こえず、興醒めする。

うーむ、と首を捻りたくなる一編でした。


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コメント(1件)

内 容 ニックネーム/日時
確かに、確かに。最初は、夫婦の危機を普遍的に描きたかったのかと思いましたが、そこまでの深さはなし。
夫婦にはそれぞれの過去があって今に至っているのであるから、それを示さずに数少ないせりふ(それも曖昧)で心情を汲み取れといっても、観ている方にも限界があるのです。
うまい俳優なのだから、もっとしっかりした枠の中で演技をさせて欲しかったと思いますね。
ぷ〜太郎
2008/04/28 11:06

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