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zoom RSS 『東南角部屋二階の女』:奥行きのある演出で変化する心を捉える

<<   作成日時 : 2008/10/05 01:48   >>

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若い女性新人監督・池田千尋の初監督作品。
初監督作品なのに、西島秀俊、加瀬亮の中堅演技派に加えて、香川京子、高橋昌也、塩見三省というベテラン陣の出演ということで、悪くないんじゃないかという期待の許に出かけました。
さらに、初監督作品にありがちな監督自身での脚本ではなく、他人の脚本ということも期待を抱かせる。

おぉ、画面サイズがスタンダードではありますまいか。これだけで、嬉しくなっちゃう。

で、巻頭早々、舞台となる古いアパートで、取り壊して云々といった男二人のやりとり。
あれれ、二人の顔が映ってない。首切り状態のアングル、大丈夫かいなとちょっと不安。

しかしながら、西島秀俊と竹花梓がお見合いをするシーンから微妙な間合いで、くすくす笑わせてくれる。

そう、この映画は、そんな微妙な間合いを巧みに演出していくところが見所である。

30歳手前から30歳前半の三人の男女の、何となく他人と距離感がつかめない、自分も表現しきれない感じがよく出ている。
主役3人の心のありようは、昭和40年生まれという脚本・大石三知子の目線だろう。
同年代なので判るが、世代的にはモラトリアム世代の最後の方に属していて、決断して何かをすることに戸惑う、そんな感じがよく出ている。

そして、若い池田監督は、スタンダードサイズの制約を逆手にとったかのように、人物を前後に配して奥行きのある構図を使うことで、その距離感を表現している。
香川が営む小料理屋のカウンターで3人並んで話しているシーン、正面からと横からとカットを変えて、横から撮った際にさらにカメラを振って、後ろの塩見三省を写しこむあたり、ちょっと感心しました。

後半、物語はタイトルロールである「二階の女」が明らかになり、世代の壁を越えて、ひとがひとを想う気持ちが、彼ら3人の心を少しだけ成長させていく。

ここでも演出が的確で、大雨に濡れてしまった着物が部屋の中に吊るされているシーンなど、はっとするような美しさがある。

ただし、願いが叶う壁の穴のエピソードなど、ちょっとスパイス不足なところもあるが、清々しくまとまった映画である。

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演技陣では、竹花梓が魅力的。香川京子の清楚が光る。

新人監督の今後に期待して、評価は★4つです。

↓Myムービーのレビュー&採点はコチラから↓
http://info.movies.yahoo.co.jp/userreview/tyem/id330919/rid10/p0/s0/c0/

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「東南角部屋二階の女」陽だまりのような懐かしい映画
「東南角部屋二階の女」★★★ 西島秀俊 、加瀬亮 、竹花梓 主演 池田千尋 監督、2008年、104分 ...続きを見る
soramove
2008/11/12 07:48

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コメント(1件)

内 容 ニックネーム/日時
いや〜、これはよかった。何も仰々しい事は起こらないのだけれど、各人各様の気持ちがそこここに滲み出ていて、でも決して押し付けることなく進んでいく。その雰囲気が何とも言えずにいいんだな〜。久し振りの拾い物。
でもパンフレットの黒沢監督の意見、ちょっと
違うのでは・・・・?
かばくん
2008/10/06 21:35

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