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zoom RSS 『ダウト 〜あるカトリック学校で〜』:疑惑と不寛容と宗教と。サスペンスは・・

<<   作成日時 : 2009/03/07 22:58   >>

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ケネディ大統領暗殺の翌年、アメリカのカトリック教会と付属の学校で起こった疑惑事案を巡る心理的サスペンス、というイメージを持って初日に出かけました。
さて・・・

鑑賞後の結果は、個人的には不満足。

フィリップ・シーモア・ホフマン扮する神父が、カトリック学校に通う黒人生徒に性的行為を行ったのではないか、という疑惑がストーリーの主題です。
追求する校長をメリル・ストリープが演じています。

両者の関係は図式的。
ホフマン神父は革新的信念で自由な神父であり、ストリープ校長は旧式で新しいものを受け容れない(というよりも悪と認識している)。
そのような立場の中で、ホフマン神父が先に挙げたような疑惑を持たれてしまいます。
でも、その疑惑は、若きシスターであるエイミー・アダムスが見た黒人生徒の通常でない状態の目撃証言によります。
(後段でストリープ校長も、ホフマン神父が男子生徒に身体にさり気なく触れる様子を見た、と言いますが)。

ありゃりゃ、物証が何もないのね。
こんな状況で疑いを掛けられたホフマン神父の気の毒なこと。

ということは、後半では、何らかの証拠が出て、白黒がはっきりするのかしらん、などと思っていましたが・・・

げげげ、それがない。

唯一、被害にあったと目される男子生徒の母親が、生徒自身が同性愛的性質(his nature と言っていました)があることをストリープ校長に告げるシーンがあるに留まります。

ですので、裁判劇のように丁々発止で白黒が付く論理的な映画ではなく、ストリープ校長の「疑惑と不寛容」により事態がこじれるというような展開です。
ここいらあたりを心理的サスペンスドラマといえばいえなくもないのですが、なんだか思い込みの暴走ぽくって、興味が減衰しました。

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極めつけは、ホフマン神父を追い込む一手が、ストリープ校長のウソ。
それにより、彼女は「神から遠ざからざるを得なく」なってしまう結末の描写も、「疑惑、他人への不寛容、神からの許されざるべきもの」という展開にしてはインパクトに欠けるように思いました。

演技陣の丁々発止を楽しむのには適していましたが、全体としては★3つです。

↓Myムービーのレビュー&採点はコチラから↓
http://info.movies.yahoo.co.jp/userreview/tyem/id332731/rid11/p0/s0/c0/

↓DVD&ブルーレイはコチラから↓
 

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コメント(2件)

内 容 ニックネーム/日時
私はその「演技陣の丁々発止」を楽しみました。かえって白黒はっきりさせない方が、勝手にこちらの想像力を目一杯働かせられるので楽しかったです。
法廷劇ではないので、誰が犯人とかいうのではなく、人間である以上、宗教に仕える身であっても逃れられない(それだからこそ人間的であるともいえますが)どろどろした混沌を描きたかったのではないでしょうか。
映画のラストを観て、女はだから浅はかだと言うのは簡単ですが、どっこい、対する男の方も限りなく灰色です。(が、黒ではない)
この映画で一番面白かったのは黒人生徒の母親で、子供を守るため、あえて負の事柄でも肯定しているところです。こういう裏返った愛情、母性は自分にはないものなので、興味深かったかな。
ぷ〜太郎
2009/03/08 22:39
ぷ〜太郎さん、いつも鋭いご意見ありがとうございます。
基本的には、白黒決着した物語が好みなので、本作のような曖昧部分が多い映画は、ちょいと苦手です。
神父が、ケイリー・グラントやジェームズ・スチュワートだったら、こんな疑惑も掛からなかったろうに・・・なんて思ったり。
って、旧式なのでね。
りゃんひさ
2009/03/10 01:36

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