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zoom RSS 『蟻の兵隊』:被害者でもあり、加害者でもあり@DVD

<<   作成日時 : 2009/04/01 00:04   >>

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終戦後も武装解除されることなく中国山西省に残った日本兵・奥村和一氏を追ったドキュメンタリーである。
観る機会を逸していたのだが、このほどDVDで鑑賞しました。

映画は、武装解除されることなく残留した日本兵は、自らの意思によるものとした判決に異を唱えた奥村氏たちを含む日本兵の生き残りたち。
残留後も9年に渡って中国共産党と闘い、そのさまは辛苦を舐める。
奥村氏は生き残りたちの代表であるかのように、中国本土に渡って、なんとしてでも軍の命令であったことの証拠を得ようとする。

この映画のスゴイところは、その証拠・物証を得て、「やはり彼も被害者であった」と終わることにない。
たしかに、そのような記録は得られるのだけれど、それよりもなにも、中国国本土での追跡行の中で、奥村氏自身が加害者であったことに気づいていくところにある。
当時、奥村氏自身は加害者意識がない、もしくは、疑問に思っていなかったことに気づくのである。
いや、気づいてはいるのだけれど、心の奥底でなかった振り、忘れよう、思い出さないでおこうと、意識の下に押し隠している。
それと対面することとなってしまう。

そこからの追跡行は、奥村氏自身の初めて中国人を殺した初年兵の頃を辿る行程となっていく。
それは奥村氏の失われた青年期を改めて見つける旅でもある。

被害者と思っていたが、実は加害者であり、その傷跡はたくさんの人々の中に残っている。
自分自身を喪失するようなショックであったであろう。

しかし、少女時代に日本兵から輪姦されたという中国の老女から、赦(ゆる)しの言葉が奥村氏に掛けられる。
「あなたは、そのことを奥さんに話していないというが、もう、話してもよいのではないでしょうか。いまのあなたは、悪い人に見えない」と。

その言葉は、多分、奥村氏に赦しと同時に贖(あがな)いの想いを強くしていいく。

80歳を超えた奥村氏に残された時間は少なく、贖うために何ができるのか、と行動を続ける。
それは、忘れてしまった(忘れてしまいたい)加害者としての意識の掘り起こしに他ならない。

彼の姿を見ていると、ひとりの人間を被害者とすると同時に加害者にもしてしまう戦争の不条理さを感じずにはいられない。

必見のドキュメンタリーである。

↓Myムービーのレビュー&採点はコチラから↓
http://info.movies.yahoo.co.jp/userreview/tyem/id325161/rid55/p0/s0/c0/

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