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zoom RSS 『重力ピエロ』:で結局「重力ピエロ」って何?そこが不満

<<   作成日時 : 2009/04/11 21:56   >>

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本作品の原作は読んでいないし、伊坂幸太郎作品では『アヒルと鴨のコインロッカー』を読んだきりで、「ちょっと合わないタイプの作家かも」と思ったりゃんひさです。
ですので、的外れかもしれませんが、レビューいたします。

試写会の入り口で配られた原作者・伊坂幸太郎のこの映画に寄せるメッセージは「低温のロックンロール」。
たしかに。

『アヒルと鴨のコインロッカー』を読んだときに、当初「おー、新しいタイプの文体のミステリーか!」と思いました。
でも、個人的には、その文体は物語の中盤を過ぎてもペースは変わらず、「なんだか、ちょっと合わないなぁ・・」と思いました。
文章は巧いのだけれども、ミステリーを語るほどの妄想力というか熱意というか、そういうものを感じなかったのです。

ですので、「低温のロックンロール」というのは言いえて妙だな、と思いました。

さて、映画についてです。

「春が二階から降ってきた」というセリフで始まり、終わるスタイルは「良し」です。
特にオープンニングは巧い。

低温の青春物語です。

物語は、仙台中心に繰り広げられる連続放火事件。
放火現場に残るグラフィックアートとDNAの二重螺旋。
物語の中心となる泉水と春の兄弟。
そして、泉水と春に係わる20余年前の連続強姦事件。

ミステリーのアイテムとしては揃っている。
だけれども、映画はミステリーとしては、まるっきり撮っていない。

血より濃い、家族の情愛の物語を「淡々とした」語り口で見せようとする。
終盤に至るまでは、秀作といっていい出来栄えです。

特に、泉水役の加瀬亮と春役の岡田将生、ふたりの異なるキャラクターがDNAの二重螺旋のような相似形を描いていく。
この演出は出色です。

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しかしながら、終盤、その演出が衰えていく。多分に原作にリスペクトした脚本に拠るのかもしれないが。

ミステリーとしての謎が解明された後に、それまで描いていた兄弟もしくは親子の「相似形」のモチーフが壊されてしまい、原作タイトルの「重力ピエロ」のエピソードが唐突突然に挿入されていまう。

ティーチインで監督が言ったように、原作と異なった泉水と春の父親の描き方が巧みに活かされていなかったのかもしれない。
「ふたりの息子たちに、何かモノではなく、形としてというか(作業ととしてというか)、そんなものを残したかった」

そこを映画の要としてワンカットあれば、ピリッと引き締まったはずなのに。

もしかしたら「ピエロ」のエピソードが挟雑物と感じられてしまうのは、原作を大切にしすぎた瑕疵かもしれません。

評価としては辛めですが、★3つ半としておきます。

↓Myムービーのレビュー&採点はコチラから↓
http://info.movies.yahoo.co.jp/userreview/tyem/id332673/rid27/p0/s0/c0/

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