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zoom RSS 『扉をたたく人』:ハートビート、胸を打つ、心に響く

<<   作成日時 : 2009/07/12 11:30   >>

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原題は「THE VISITOR」。訪問者、やって来たひと。シンプルなタイトルである。
妻の死以降、無気力で人生に停滞してしまっていた大学教授ウォルターのアパートメントに、セネガル出身の彼女と無断で住み込んでいたジャンベプレイヤーのタレク。
ウォルターへの突然の訪問者である。
また、彼はシリアからアメリカへやって来たパレスチナ人でもある。

映画を観るまでは、心を閉ざした老大学教授が、タレクの奏でるジャンベの響きと異文化との触れあいにより、心を開いていく「心あたたまる物語」だろうなぁ、と思っていた。

確かに、前半は、そのとおり。
セントラルパークで十数人の異国からの訪問者とともにジャンベを奏でるウォルターの姿は、心が開かれていくさま、そのものだ。

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しかしながら、些細な出来事がキッカケとなって、タレクが入国管理局に拘留されてしまう。
不法滞在だからだ。

後半は「心あたたまる映画」ではなく、扉を閉ざしたアメリカの、厳しい現実を突きつける映画となっていく。

ウォルターは、拘留されたタレクを開放しようと、厳しく扉を閉ざしたアメリカに対して、東奔西走するが・・・・

ラストの地下鉄ホームでジャンベを奏でるウォルターの姿は、結果憤り、アメリカの扉を叩き続ける姿にほかならない。

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映画のラストは切ないのだが、この映画がクチコミで全米で広がったことを考えると、アメリカも扉を開こうとする「やさしさ」があるかもしれません。

評価は★4つ半です。

↓後半、ウォルターとタレクの母親との静かで小さなロマンスも見所です。

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<追記>
上映前にジャンベの生演奏があり、その迫力に圧倒しました。

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