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zoom RSS 『死にゆく妻との旅路』:どう死を迎えるか、どう死を受け容れるか @ロードショウ・ミニシアター

<<   作成日時 : 2011/03/26 00:08   >>

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末期癌の妻とともに9か月もボロのワゴン車で日本各地を彷徨した夫。
遂には、「保護責任者遺棄致死」の罪状で逮捕されてしまうのだが・・・
実話、それも夫の手記を映画化したものです。
見るからにツライ映画のようなのだが、淡々とした語り口が、それほどツライとは感じることはなく、妻に寄り添う夫、夫に寄り添う妻、ふたりの道行のようで・・・
でも、なぜか幸せな死を迎えたと感じられました。

『死にゆく妻との旅路』、直截的なタイトルです。

しかし、死にゆくことを受け容れれば、それは「初めてのデート」でもあります。
至福のときでもあります。

なぜならば、ひとは必ず死ぬのでありますから。
そのことさえ受け容れれば・・・死は恐れることではなく、畢竟、フツーの生活となるのです。

旅を始めて早々に次のような描写があります。

道路脇で妻の髪を切る夫。
自らの髪に手を添える妻。薬指に光るマリッジリング。
鋏を持つ夫。薬指に光るマリッジリング。
二つのマリッジリングが静かに寄り添います。

ここで、死にゆくことを受け容れたふたりの旅路が、逃亡の旅ではなく、貧しいながらも「初めてのデート」・至福の旅と暗示していています。

その後は困窮の旅ではありますが、決して心は貧しくありません。
日本の四季に彩られた旅路は美しいものです。

この映画で哀しく感じるのは、妻の死そのものではなく、ふたりで過ごしたボロワゴン車の後部座席に妻の姿がないことです。
カラッポの、残された布団だけを見つめ抱きしめて夫は号泣します。

このシーンで図らずも声を押し殺して泣いてしまいました。

死ぬことは受け容れられても、死んだ後にいなくなってしまうことは、なかなか受け容れられない。
そのことに共感したためです。

死ぬことは判っている、ならば、望む形で、望むように死なせてやりたい・・・
でも、いなくなってしまうことは受け容れがたい。
男の意気地なんて、そんなものなんです。

評価は共感の★5つです。

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⇒『海炭市叙景
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⇒『ゲゲゲの女房
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⇒『CATERPILLAR キャタピラー
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2011年映画鑑賞記録

 新作:2011年度作品
  外国映画 4本(うちDVD、Webなどスクリーン以外 0本)
  日本映画 3本(うちDVD、Webなどスクリーン以外 0本)←カウントアップ

 旧作:2011年以前の作品
  外国映画 8本(うち劇場 0本)
  日本映画 0本(うち劇場 0本)
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死にゆく妻との旅路
末期がんの妻を連れて日本各地をさまよい、保護責任者遺棄致死の罪で逮捕された男性の手記を映画化。主演は『沈まぬ太陽』の三浦友和と『サヨナライツカ』の石田ゆり子。監督は『初恋』の塙幸成が務める。愛する妻に近づく死を感じながら9ヶ月もの間旅を続ける夫、少しでもそんな夫の傍を離れたがらない妻、2人の間を分かつのは死だけだろう。 ...続きを見る
LOVE Cinemas 調布
2011/03/26 00:20
mini review 12549「死にゆく妻との旅路」★★★★★★★☆☆☆
末期がんの妻を9か月もワゴン車に乗せて日本各地をさまよい、保護責任者遺棄致死の罪状で逮捕された男性が事件の裏側をつづった手記を映画化。工場経営が傾き多額の借金を背負い、必死に職探しをする夫と末期がんの妻が、死を見つめながら続けた272日間、およそ6,000キロ... ...続きを見る
サーカスな日々
2012/01/07 19:30

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コメント(1件)

内 容 ニックネーム/日時
伴侶を看取る。見送る。
残される方は「不在」が辛いでしょうね…。
願わくば、先に逝きたい。とか。思ったり。
俺も じき、ソッチに行くから、それまで待っててくれ。と思うしかないですよね。
優駿
2011/03/27 21:55

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