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zoom RSS 『一枚のハガキ』:くじと戦争と男女のエロス @ロードショウ・ミニシアター

<<   作成日時 : 2011/08/26 00:50   >>

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日本最高齢映画監督・新藤兼人の最新作にして最後の作品『一枚のハガキ』。
死んだ戦友に送られた妻からのハガキ。
生き残った戦友がそのハガキを送り主である未亡人のもとへ届ける、「あなたの夫は、たしかに、このハガキを読みましたよ」と。
あれあれ、どこかで聞いたようなハナシだなぁ。
なんか、同じような題材の映画があったような・・・

と思うのだけれども、新藤兼人監督の眼目はそんなところ(ハガキ)にはない。

生き残る、死んでしまう、その両者を分けるのが、「くじ」である。
理不尽な、不条理な、なんともはや馬鹿げている。
「上官様が引く籤(くじ)」である。

大吉、中吉、小吉、末吉、凶・・・
凶か・・・あぁあ、がっかり・・・って、そんなレベルでない。

生きるか、死ぬかの瀬戸際なのだ。
それも、いくらなんでも死にそうにない「お掃除部隊」が、ボロ船に乗ってのほとんど「特攻」なのだ。

こんな理不尽、神様だって知っちゃいない。
阿弥陀さまなら知っているのか?

ああ馬鹿げてる、「くじ」だなんて。
ああ馬鹿げている、「戦争」だなんて。

それだけならば一介の反戦映画なのだけれど、新藤兼人監督は男と女のエロスにもっていく。
エロスといっても淫猥卑猥ではない。
「生きる活力」「生き続けるしたたかさ」である。

ハガキを出した未亡人は夫亡き後、夫の弟と夫婦になったが弟もあえなく戦死。
義父も義母も戦後に病死と自殺。
独りで、野垂れ死ぬまで生きてやる、と、村の有力者の下心つきの援助に毒づく未亡人。
「馬鹿げた戦争なんて男がやったこと」
「馬鹿げたくじに当たって死ぬなんて、なんともはや、馬鹿げたこと」

ハガキを届けにきたお掃除部隊の生き残り兵。
彼も馬鹿げたことの一派であるけれど、それでも生き残ったところにエロスを感じる。
援助の手を差し出す村の有力者は、地位をかさに着て、戦地に赴くのを逃れたけれど、生き残り兵は馬鹿げたくじから生き延びた。

くじと、戦争と、男と女。

三題噺のような新藤兼人。どことなく「ぞろっぺい」さを感じる新藤兼人監督らしい映画であった。

評価は★4つとしておきます。

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2011年映画鑑賞記録

 新作:2011年度作品
  外国映画25本(うちDVD、Webなどスクリーン以外 6本)
  日本映画11本(うちDVD、Webなどスクリーン以外 2本)←カウントアップ

 旧作:2011年以前の作品
  外国映画29本(うち劇場 5本)
  日本映画 4本(うち劇場 0本)
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