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zoom RSS 『凶悪』:凶悪なのはあなたか、わたしか @ロードショウ・シネコン

<<   作成日時 : 2013/09/23 17:08   >>

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山田孝之、ピエール瀧、リリー・フランキーの個性派俳優がガチンコでぶつかりあった『凶悪』、劇場公開初日に鑑賞しました。
実話がベースのこの映画、死刑囚による衝撃的な告白(明るみになっていない事件で自分を教唆し、共犯以上の関係にある「先生」と呼ばれる凶悪犯がいるという)の真相を追うジャーナリストを通して、凶悪なのは何なのか、誰なのかを問う映画です。

告白に基づいて、真実を追うジャーナリスト。
徐々に、その事件にのめりこんでいきます。

が、映画は途中で、事件の真相を回想に近い形で延々と映します。
尺にして3分の1にあたるかしらん。
その事件の様子が、凶悪というか、醜悪というか、正視に堪えない。

これほど長く尺を割く必要があったのか。
まぁ、あったんでしょう、テーマがテーマですから。

映画後半でジャーナリストの妻が彼にいいます。
「あなたはこの事件を追って愉しかったんでしょ」と。
「世間にはこんな酷いことがあるんだ。こんな非道いひとがいるんだ、と知ることが」

「正義」に名を借りた「正義はと裏腹の感情」。
正義という名の愉楽、といってもいいかも。

また、最後に刑務所の面会室で、「先生」から指をさされるジャーナリスト。
「わたしをいちばん殺したいと思っているのは、(告白をした死刑囚の)須藤でもなく、被害者でもない」
(無言で)他ならならぬきみだよ、と指さされます。

映画はその瞬間、刑務所の面会室の内と外が入れ替わります。
その演出は、「いちばん凶悪なのは、この映画を(愉しんで、いや愉しまなくても)観ている(観客の)あなた自身なんだよ」と問いかけるわけです。

うーむ、この作劇でよかったのか、ちょっと疑問が残りました。
実際の事件を長く映さないと、このテーマに行き着かないのかもしれませんが、やはり、中盤の事件のシーンが長すぎます。
あまりに長すぎて、「いちばん凶悪なのは、この映画を(愉しんで)撮っているあなたたちだよ」と言い返したくなりますから。

人間の暗部に迫る意欲作ですが、少々疑問符を付けざるを得ません。

評価は★3つ半としておきます。

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2013年映画鑑賞記録

 新作:2013年度作品
  外国映画27本(うちDVD、Webなどスクリーン以外13本)
  日本映画15本(うちDVD、Webなどスクリーン以外 2本)←カウントアップ

 旧作:2013年以前の作品
  外国映画43本(うち劇場 2本)
  日本映画 8本(うち劇場 1本)
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コメント(2件)

内 容 ニックネーム/日時
実際、そうやって劇としてしか捉えられないってことじゃないですか、今人は。ブログ管理人さんも。
その背景や問題を自分の環境に反映できないですから誰も。
事件のシーンが長いと、それさえも観る事を拒むわけですから。事件シーンもなく、辛い箇所もなく観ていたら、それこそ一般の人たちは軽い絵空事、心の暗部なんか空想上のお話になるのでは。
もっと背景奥にみえる事ではないでしょうか?
上の記事だとそのまま、それだけですよ。
とおりすがり
2013/09/24 01:14
今年のベスト1という評判を聞き観に行きました。が、他の映画を観て口直し(というか目直し)したくなりました。狙いどころはわかりますし、興味をひきます。しかし、事件を延々と描くより(なんかもう、醜悪さに辟易しますね)ジャーナリストののめりこみ方、心の内をもっと描いた方がよかったのではと思ってしまいますね。妻との葛藤とか、もっと表現してほしかったです。
映画としての出来はどうであれ、好き嫌いでいえば嫌いな作品です。
ぷ〜太郎
2013/09/24 23:15

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