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zoom RSS 『オレンジロード急行(エクスプレス)』:いま観た方が断然面白く感じられる映画 @フィルムセンター

<<   作成日時 : 2014/03/21 11:26   >>

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昨年2013年からはじまった東京国立近代美術館フィルムセンターの企画「自選シリーズ 現代日本の映画監督」、その第2回目は大森一樹監督。
(第1回は崔洋一でした)
1978年の商業映画デビュー作『オレンジロード急行(エクスプレス)』と16mmの自主映画作品『暗くなるまで待てない!』が上映されると知り、企画初日に出かけました。
入り口で、おおぉぉ、大森監督本人がお出迎え。
チラシには各週末の日曜日にトークショウが開かれる旨の告知はありましたが、初日に来館するとはどこに書かれてなかった。
舞台挨拶もあって、かなり得した気分。
上映は、自主映画時代の短編・長編・中編の参考上映3本のあとに、休憩をはさんで、本編『オレンジロード急行(エクスプレス)』の上映。
監督が「本日の入場料のすべては、このオレンジロードですから、休憩の間に帰らんとってください」といっていたのが面白い。
さて、映画。

1970年代後半、時代はモラトリアム。
青年たちにとっては、まだまだ大人になることの猶予が許されていた時代。
京都市中でバンに乗って無許可の海賊放送を繰り広げる若者5人。
若者たちといっても、職についていたり、子どももいるいい大人たち。

対して、70歳を過ぎた曰くありげなアベック(カップルのこと、昔はこう呼んでいた)。
ふたりは自動車泥棒を繰り広げて、どこかへ向かっていた。

そんなふたつのグループが、ひょんなことから一緒になってしまう・・・

コミカルなロードムーヴィで、ロードムーヴィがこんなに面白くっていいのかしらん、と思ってしまいます。
なにせロードムーヴィといえば、『スケアクロウ』なんかがすぐ思い出されるもので。

歌曲満載で愉しいことしきり。

そんな中でも、主題はハッキリと、でも静かに謳いあげるところが大森一樹監督らしいところ。

人生には踏ん切りをつけることも必要。
戦争を経験した老アベックは過去に踏ん切りをつけ、子どもの時間を終わらせたくない青年たちもいつかは踏ん切りをつけなければならない。

ところどころ上滑り気味なギャグなどもある大森監督の演出ですが、笑って見逃せます。
タイトルどおりオレンジの暖色系でまとめた阪本善尚のカメラが好いです。
(阪本はこの後、大林宣彦監督とコンビを組むことになります)

評価としはオマケも込みで★4つとします。
当時観るより、いま観た方が、断然面白く感じられる映画ではありますまいか。

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あわせて参考上映の3本も。

■『ヒロシマから遠く離れて』は、2分の短編。

何枚も重ねた半紙の墨汁をたらして、半紙を一枚一枚はいで、墨汁の滲み(しみ)をみる、という前衛映画。
墨汁の滲みがヒロシマに投下された原爆を思い起こさせます。

■『暗くなるまで待てない!』は、70分の長編。

学生たちは特にすることがない。
まぁ、ちょっとつるんで、酒のんで、とりとめのないダベりをするぐらい。
いやいや、映画マニアの佐倉くんは、映画が撮りたい、という想いはある。
想いはあるが、金がない。
行きつけの居酒屋で知り合ったチンピラのお兄ぃさんが競輪で当てた資金をもとに、やっと映画を撮ることができるようになった・・・

と、『オレンジロード急行』の若者たちに通じるモラトリアムな雰囲気。
ああ、子どもの時間の終わるのは、なんとも気怠く、遣る瀬無いことか・・・。

評価は、オマケも込みで★4つとします。

佐倉くんを演じた栃岡章さんとはちょっとした知り合いなので、若いときを観たかった、という思いもありました。


■『夏子と長いお別れ(ロンググッドバイ)』は、25分の中編。

『暗くなるまで待てない!』を一緒に撮った面々が、3年後に再会して、子どもの時間が終わったことを再確認する。
まぁ、あのときを懐かしむというか、大人になって自立するってことは寂しいんだなって認識するとか、ってそんなとこ。

旧知の面々とのやりとりを素のまま撮ったリアルなシーンと、架空の銃での銃撃戦というフィクションが交互に繰り広げられており、実験作品であるが成功はしていない。
まぁ、監督が、当時想いを寄せていたヒロイン役の夏子さんに「ぼく、きみのこと、好きやったんやけど・・・きみはそんな、ぼくのこころを知ってか知らんでか、結婚したんやてなぁ」とうじうじした愛の告白映画でしかない。
付き合わされる観客はいい迷惑。
評価は、あえて、しません。

ちなみに、高校教師になった栃岡さんは、この映画に参加していません。

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<追記>
上映会の帰り際、出口まで出ていた大森監督と握手しました。

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2014年映画鑑賞記録

 新作:2014年度作品
  外国映画 7本(うちDVDなど 1本)
  日本映画 3本(うちDVDなど 0本)

 旧作:2014年以前の作品
  外国映画26本(うち劇場 2本)
  日本映画10本(うち劇場 3本)←カウント2アップ
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コメント(1件)

内 容 ニックネーム/日時
う〜ん、映画の内容よりも、平日仕事をさぼって
観に行ったのかどうかが気になりますなぁ。
おすもうさん
2014/03/23 02:06

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