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zoom RSS 『そこのみにて光輝く』:切なさに、胸締めつけられました @ロードショウ・シネコン

<<   作成日時 : 2014/04/28 00:51   >>

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海炭市叙景』につづく佐藤泰志の小説にの映画化『そこのみにて光輝く』、ロードショウで鑑賞しました。
監督は『酒井家のしあわせ』『オカンの嫁入り』の女性監督・呉美保。
注目している監督、さらに脚本が『さよなら渓谷』の高田亮ということで、非常に興味そそられる作品でありました。
とてもずっしりとした手応えを感じた作品でした。

函館でひとりぐらの達夫(綾野剛)は、何をするでもなし無聊の日々。
ある日、パチンコ屋で知り合った拓児(菅田将暉)に誘われ、彼の家を訪れることになった。
海辺に建つ拓児の家は非常に貧しく、寝たきりの父親、それを世話する母親、家計を支えている姉の千夏(池脇千鶴)の4人が暮らしている。
家族の暮らしは絶望・どん底を絵に描いたようなさま。
千夏の仕事は、週三回の塩辛工場でのパートと、うらぶれたスナックでの男性客相手のシゴト。
さらに、刑務所帰りである拓児の面倒を見ている植木業者社長と腐れ縁の関係が続いている。
そんななか、いつしか達夫と千夏は惹かれあっていくのだが・・・

貧しく、うら寂しい物語なんですが、観ているうちにどんどん惹きこまれていきました。
はじめ、達夫はどうして無聊をかこっているのかが判らないのですが、発破現場での事故で後輩の青年を死なせてしまった過去があることが中盤に判明し、それからは切なさが加速していきます。

性欲だけはおさまらない寝たきりの父親に対して、性処理までしなければならない千夏の哀れさ。
兄(または父)のように慕っている社長が、心の底ではバカにしていることを知ってしまう拓児の無念さ。
誰からも見捨てられている家族に対して、特に千夏に対して、心をゆるしていく達夫。
みんな、哀しく悲しい。

映画は終盤、一気に悲劇の様相を呈していくのですが、最後の最後にひととして堕ちてはならない一線だけは踏みとどまる、息づまるその一瞬。
踏みとどまったからこそ見えてくる光。
「そこのみにて光輝く」とでるタイトルに胸締めつけられます。

俳優陣では、寡黙な綾野剛、饒舌な菅田将暉(『共喰い』とはまるで別人)の男優陣も素晴らしいですが、池脇千鶴が圧巻です。
くずれた体型と、気だるげな雰囲気は、いつもの元気な彼女とは別人。
泥の中で生きる女の性を身体全体で醸し出しています。

呉美保監督の力量、素晴らしいのひと言です。

評価は★5つです。



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2014年映画鑑賞記録

 新作:2014年度作品
  外国映画10本(うちDVDなど 1本)
  日本映画 7本(うちDVDなど 0本)←カウントアップ

 旧作:2014年以前の作品
  外国映画43本(うち劇場 3本)
  日本映画13本(うち劇場 3本)
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コメント(3件)

内 容 ニックネーム/日時
久々に素晴らしい邦画でしたね、惹きこまれてしまいました。
jyamutomaruko
2014/04/28 05:32
jyamutomarukoさん、コメントありがとうございます。jyamutomarukoさんのyahooレビューも読ませていただきました。本当に素晴らしい映画で、余韻がまだ残っています。
りゃんひさ
2014/04/28 22:29
脚本、演出、演技、すべてがいい作品でした。綾野剛側からはいり、次第に池脇千鶴側に寄り添い、最後は二人でしめたのは見事です。池脇千鶴も、このくらいの作品だとその演技力が充分発揮できるし、菅田将暉に至っては、やられたっていうところでしょうか。今年のベスト3には確実にはいりますね。
ぷ〜太郎
2014/05/06 10:44

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