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zoom RSS 『野のなななのか』:饒舌な饒舌な饒舌な映画 @ロードショウ・一般劇場

<<   作成日時 : 2014/06/02 23:54   >>

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大林宣彦監督の最新作『野のなななのか』、映画サービスデイに有楽町スバル座で観てきました。
朝一番の開場直後に劇場に着きましたが、おぉ、窓口に列ができていました。
スバル座の窓口に列ができるなんて・・・りゃんひさ自身はじめての経験ではありますまいか。
開映前、座席の8割方埋まり、年齢層は幅広い。
結構、若い観客の姿も目に付きました。
さて、映画。

北海道・芦別町、古物屋「星降る文化堂」の主人・鈴木光男が居間で倒れているのを、孫娘のカンナが発見する。
外は雪。
光男は御年92歳、元・医者で、戦中から町の医療を担ってきた。
病院のベッドに横たわる光男のもとに、孫・曾孫たちが集まってくるが、その中に光男の医院で看護師を務めていた信子の姿があった・・・

映画は、鈴木光男を通じて観る終戦の物語といえます。
ただし、この映画は、終戦と3.11後の現在が地続きとなり、混沌となって進んでいくので、なかなか一筋縄ではいかない。

それも大林宣彦監督の独特の語り口で進んでいくので、こりゃダメだと早々に白旗をあげる観客も多いかもしれません。

とにかく、饒舌なのです。
巻頭から、監督自身の想いを伝えるのに、画面に文字を出し、モノローグを入れてくる。
その間、ワルツともジンタともつかない哀愁を帯びた音楽が流れている。
白旗をあげる観客はここでもうギブアップかも。

つづいて、孫娘カンナが雪降る中を、「星降る文化堂」の玄関に入ってくるシーン。
長靴についた雪を落とす足元を写しているのだけれど、その足元は踊るようなステップを踏んでいる。
廊下に土足のまま上がる、古物が並んだ廊下、カンナが持つイチゴ、それらを短いショットで繋いでいく。

この短いショット、早口な台詞は、孫・曾孫たちが集まってくる病室のシーンでさらに顕著になってきます。
その後は、ひとつの画面の中で時空を越えたり(冬の芦別が春・夏に変わったり、文化堂の窓の外が戦中の樺太になったり)と、饒舌なまでに登場人物の記憶や想いが積み重ねられていきます。
そして、絶えず流れる音楽。
あぁ、本当に饒舌なのです。

この映画は大林宣彦監督の饒舌で率直な想いを観る映画なのですから。

率直な想い・・・
終戦の玉音放送を過ぎてもなお樺太でロシア戦っていた戦争の真実。
その戦争の真実のみならず、3.11での教訓まで風化させてしまいそうな現在。
そんな現実でいいのだろうか、そんな未来でいいのだろうか・・・と。

評価は★4つとしておきます。

<追記>
劇中、第○章と章だての見出しが出ます。
16章立ての体裁ですが、途中途中に主題曲を演奏する楽隊のシーンが都合3回登場し、舞台でいうところの幕の役割を果たしています。
ですので、起承転結の四幕芝居の形式です。
実際、第三幕は鈴木光男老の戦中譚で、映画の雰囲気をガラリと変えていますし。
そうみると、結にあたる第四幕が若干語り急いだような(特に、信子のエピソード)感があります。

<追記>
タイトル『野のなななのか』、「野の、なな、なのか」と区切って、「ななという名の少女が、草原にいるのか」という意味かと思っていました。
「なななのか」は「七・七日(=四十九日)」なので、「野っぱらで行う四十九日」の意味だったのね。

<追記>
前作『この空の花 長岡花火物語』を見逃しているので、DVDで是が非でも観ないと・・・

その他の大林宣彦監督作品のレビュー
その日のまえに
転校生 -さよなら あなた-
22才の別れ Lycoris 葉見ず花見ず物語


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2014年映画鑑賞記録

新作:2014年度作品:25本
 外国映画16本(うちDVDなど 3本)
 日本映画11本(うちDVDなど 0本)←カウントアップ

旧作:2014年以前の作品:79本
 外国映画61本(うち劇場 3本)
 日本映画18本(うち劇場 3本)
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