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zoom RSS 『複製された男』:怪奇映画なので謎解きは不要。とはいえ・・見解 @ロードショウ・シネコン

<<   作成日時 : 2014/07/21 09:27   >>

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灼熱の魂』『プリズナーズ』で注目しているドゥニ・ヴィルヌーヴ監督の最新作『複製された男』をロードショウで鑑賞しました。
前2作以上に、外連味(けれんみ)たっぷりの演出を堪能しました。
さて、映画。

高層ビルが立ち並ぶカナダ・トロント。
常に靄がかかったように街並みはぼんやり霞んでいる。
大学で歴史を教えるアダム・ベル(ジェイク・ギレンホール)、美しい恋人がおり、日々充実しているはずなのだが、どこかしら憂鬱な感じが抜けない。
ある日、同僚教師から勧められた映画をDVD鑑賞したところ、なにかが脳の奥を刺激して眠れない。
改めて映画を確認すると、自分と瓜二つの人物が端役として登場している。
気になったアダムは、自ら調査するとその人物は、芸名ダニエル・セントクレア(本名アンソニー・クレア)という人物であることが判明する。
アンソニーに接触をしようとするアダムは・・・

というもの物語。

エドガー・アラン・ポーの『ウィリアム・ウィルソン』を髣髴とさせる怪奇・怪異の物語。
なので、本来ならば、その怪奇な物語を、独特のリズムの語り口や、やや暗めで常に不安な気持ちにさせる画面を、愉しみ・堪能すべき映画です。
その意味では、不思議な部分は残るとしても、「もうひとり、じぶんがいたらどうなるのだろうか・・・」という恐怖の物語は、十分堪能できました。

ですが、映画の謳い文句「“脳力”が試される、究極の心理ミステリー。あなたは、一度で見抜けるか」というのが気になります。

ミステリと銘打っているので「論理的解決による謎解きのカタルシスがあってしかるべき」と期待してしまいます。
となると、かなり期待にそぐわないでしょう。
謎解きのカタルシスも、論理的解決も、明確に映画では示されていないのですから。

とはいえ、負けず嫌いのりゃんひさが頭を捻った論理的解決は・・・

以下の3件を前提(トリックかも)して、
 @映画の時系列は一部前後しているところがある
 A映画では意図的に解答にあたるシーンを描いていない
 Bアダムとアンソニーが対面する(電話による会話を含む)ところは妄想である
【結論】
 ≪アンソニーとアダムが同一人物で、自己分裂を起こしている≫
です。

物語を整理すると・・・

大学で歴史を教えてるアンソニー・クレアは、妊娠中の妻ヘレン(サラ・ガドン)と暮らしている。
彼には、過去に3度、端役として映画に出演した経験がある。
また、メアリー(メラニー・ロラン)という女性と浮気をしていたことがある。
さらに、品行方正というわけでもなく、妖しい秘密クラブにも出入りしており、マンションの管理人を誘ったことがある。

妻ヘレンは、彼が歴史教師であること、映画出演の経験があること、メアリーと浮気をしていたことは知っており、メアリーとは別れたものと思っている。

このような環境の中で、アンソニーの精神が分裂し、アダムという副人格が誕生した。
契機は不明だが、妻の妊娠と、情婦と別れられない、というジレンマが引き起こしたものだろう。

分裂した人格は自身でアダム・ベルと名乗っているが、そのとき周囲のひとびとは彼がアダムだと気づかない。
アンソニーとアダムに、「それほどの性格の差はなく」、ふとした際にアダムになるだけだから。
(情事を続けるときは、アダムである)
アンソニーとアダムは、当然にして、相手のこと(人格)は知らない。

で、副人格のアダムがアンソニーの存在に気づく、という物語。

副人格が主人格の存在に気づき、副人格の視点で映画が進むので、物語をややこしくしている。

こういう物語だと思って読み解くと・・・

映画の初めのほうで、同じ内容の歴史講義が繰り返されるシーン(2回目は声のみ)。
これは、
アンソニーとアダムが2回、同じ内容の講義をしている。
当然、学生はざわめくが、そのシーンはない(前提・トリックA)

映画中盤で、妻ヘレンが大学でアダムと会い、直後、アンソニーに電話を掛けてアンソニーが出るシーン。
これは、
妻ヘレンはアンソニーに会いに行ったが、アダム人格の彼に出くわす、というもの。
妻は怪訝そうな顔をしており、アンソニーだと気づいている。
アンソニーに電話を掛けると、彼がでる(これも声のみ)が、そのとき、アダム人格は画面から消えている。
がヘレンからは、アダム人格からアンソニーに戻った彼は見えている(前提・トリックA)

同じく中盤、アダムが母親キャロライン(イザベラ・ロッセリーニ)と会って、ブルーベリーの話題が出るシーン。
これは、
母親はアンソニーだと思っている、がアダム人格が時折顔を覗かせた。
しかし、母親は気づいていない。

終盤、アンソニーがアダムに成りすまして、メアリーと遭い、その後、自動車事故を起こすシーン。
これは、
物語のエンディング。次にアダム人格のエピソードがあるので混乱するが、(前提・トリック@)で時間が前後している。
アダム人格は、持っていた自分の写真から、自身がアンソニーと気づくのだが、アンソニー人格はまだ自分がアダムと同一人物だと気づいていない。
この日の夜、メアリーのもとに出かけていき、自動車事故に遭う。
アダム人格がみる「巨大な蜘蛛は死の予感」であり、事故車の窓が蜘蛛の巣状になっていることと繋がっていく。

と解釈しました。

しかし、こういうように解釈するもの小賢しいので、もうひとり、じぶんがいたら・・・「やっぱり、怖い! 恐ろべしい」という恐怖の物語として愉しみたいです。

評価は★4つとしておきます。



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2014年映画鑑賞記録

新作:2014年度作品:46本
 外国映画31本(うちDVDなど 7本)←カウントアップ
 日本映画15本(うちDVDなど 0本)

旧作:2014年以前の作品:100本
 外国映画79本(うち劇場 3本)
 日本映画21本(うち劇場 3本)
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