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zoom RSS 『郊遊<ピクニック>』:遣る瀬無さを感じるために、こう観てみました @ロードショウ・単館系

<<   作成日時 : 2014/10/01 22:27   >>

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鬼才と呼ぶに相応しい台湾のツァイ・ミンリャン監督の引退作『郊遊<ピクニック>』を漸く鑑賞しました。
本人曰く、「引退とは言っていない。普通の配給ルートでの作品はもう撮らない、ということ。美術館なり特殊な環境で上映するのならば・・・」と。
上映前に、劇場に貼ってあった記事からの抜粋です。
まぁ、そういう映画です。
これまで陰陽どちらかの側かに大きく傾いた映画を撮ってきた彼。
今回は、陰側に大きく傾いていました。
さて、映画。

台北。
小康(シャオカン)は幼い(といっても10歳と6歳ぐらいの)息子と娘とともに、廃ビルの片隅で生活している。
かつては裕福だった時代もあったが、なにかを契機にして妻との仲は壊れ、いまの立場に身を落とした。
いまは、雨の日も風の日も不動産の看板を持って立ちつづけて糊口をしのぐ日々。
どうにか食いつなぎ、心をつなぎとめてきたが、限界だ。
風雨吹きすさぶ夜、小康はふたりの子どもを連れて、川べりに留めた古いボートの許までやってきた。
もはや彼岸にいくしかないのだろうか・・・

ストーリーを書くならば、こんなところだろう。
しかし、ストーリーを追う映画ではない。

ならば、感じる映画か・・・
長廻しの画面が続くこの画面は、そんな生易しい映画でもない。

喩えていうなら、通勤途中でいつもみる風景、その風景にある日いつもと異なるところを見つけてしまい、気になって見つづけているうちにトンデモナイものに出遭ってしまった。
で、出遭ってしまったその出来事が本物かどうか、真実かどうか。
本物と、真実と思えればそれでいいし、思えなければそれでもいい。
そんな映画。

なので、長廻しの画面では、小康や子どもたちを見続けるのではなく、周りをチラ見したりするといい。

あ、人間立て看板は、道路の向こう側にもたくさん並んでいる、とか。
お、この前は、バイクがよく通っていたけど、今日はなんだか二階建て観光バスがよく通るな、とか。
この川面の照り返し、なんだかすごくキラキラしてるな、ホントは結構汚れてるんだろうけど、とか。

こうやって見ていると、長廻しも長く感じられずに短いぐらい。
そのうち、小康の遣る瀬無さが伝わってくる。

とはいえ、少々気になったところがないわけではない。

小康がキャベツ人形に別れた妻の影を見出して情を爆裂させるところは、少々過剰すぎ。

裕福だった家族の暮らすマンション、壊れた夫婦仲・それぞれの心を象徴する廃れた壁や内装は技巧が目立ち過ぎで、過去のエピソードも説明的に描き過ぎ。

同じ女性(妻)を三人の女優が演じていて、そのときどきの家族仲の境遇により女優を変えているのだけれど、子ども役の役者が変わっていないので時間経過と咬みあわなくなって混乱してしまう。
(裕福な時代のふたりのふたりの子どもは、いまよりもずっとずっと幼かった)
まあツァイ・ミンリャン監督は、そんな辻褄あわせは気にするな、というのかもしれませんが。

とにかく、ツァイ・ミンリャン監督の集大成映画であることにまちがいはない。

評価は★4つ半としておきます。

その他のツァイ・ミンリャン監督レビュー(いずれもyahoo!のページにリンクしています)
黒い眼のオペラ』『西瓜』『楽日

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2014年映画鑑賞記録

新作:2014年度作品:66本
 外国映画43本(うちDVDなど 8本)←カウントアップ
 日本映画23本(うちDVDなど 0本)

旧作:2014年以前の作品:129本
 外国映画103本(うち劇場 9本)
 日本映画 26本(うち劇場 5本)
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