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zoom RSS 『緑色の部屋』:死者とともに生きるということは・・・ @特集上映・単館系

<<   作成日時 : 2014/10/25 19:01   >>

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フランソワ・トリュフォー映画祭の4本目は『緑色の部屋』(1978年製作)。
実は、この作品がいちばん観たかった。
というのも、りゃんひさが初めて観たトリュフォー映画がこの映画。
ロードショウの後の名画座2本立てで観たので、かれこれ30年以上も昔のこと。
静謐ということばが相応しいその佇まいに中学生(だか高校に進学したてだが)のりゃんひさは感銘を受けたのであります。
思い出はさておき、映画。

第一次大戦終結から10年を経た1928年、フランスの田舎町。
兵士として戦地に赴き、数々の死と直面した新聞記者のジュリアン。
彼は戦争直前に若い妻と結婚したが、終戦後まもなく事故で妻を喪してしまう。
その後は、ひとときも妻のことは忘れず、また、戦争で生き残った重荷から、いまを生きるよりも死者を弔い、死者とともに生きることを選んだ・・・

おぉ、死者とともに生きるとは、なんとストイックなロマンチックなことか・・・
と、当時、りゃんひさ少年は思ったのでしょう。

終盤に現われる、彼の夢の実現ともいえる「彼の死者たちを祀る礼拝堂」、そのろうそくの炎の美しさ。
ネストール・アルメンドロスの撮影も美しく、モーリス・ジョーベールの音楽も切なく響く。
ああ・・・

だけれど、いま観直すと、なんとアホな男か。
彼を理解しようとする若い女性セシリアがいるのにもかかわらず、現実をまったく受け容れず、自分自身の殻に閉じこもった世界に生き続けようとする。
そして、衰弱しきって死んでゆくのだから、身勝手も甚だしい。

とにかく、トリュフォーの映画では、相手(多くは女性)のことを理解しない(しようとも考えない)身勝手な男性が登場することが多いのだけれど、この映画のジュリアンはトリュフォー自身が演じていることもあって、その中でも最高峰といえるでしょう。

ですが、こんなアホな男の生き方、男としては憧れちゃうところもあるんだよなぁ。
(まぁ、戦争で生き残ってしまった重荷・呵責に耐えきれずに、妻との愛という幻影に逃げ込んでいるのかもしれないのだけれども)

りゃんひさ的にはトリュフォーの中でも群を抜いた作品といういう意味で、評価は★5つ半としておきます。

<追記>
まだ30歳前のナタリー・バイの美しさも特筆ものです。
音楽のモーリス・ジョーベールは、戦前のフランス映画『巴里祭』『我等の仲間』『舞踏会の手帖』『霧の波止場』の大ベテラン。
トリュフォーとは他に『アデルの恋の物語』など計4本組んでいますね。
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2014年映画鑑賞記録

新作:2014年度作品:71本
 外国映画45本(うちDVDなど 8本)
 日本映画26本(うちDVDなど 0本)

旧作:2014年以前の作品:139本
 外国映画113本(うち劇場14本)←カウントアップ
 日本映画 26本(うち劇場 5本)
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コメント(1件)

内 容 ニックネーム/日時
この作品観ましたが、う〜ん、ナタリー・バイの美しさ以外は記憶に残らないでしょうね。主人公に共感できないので、トリュフォーの作品は好きではないです。りゃんひささんのおっしゃる通り、「なんとアホな男か」が感想です。
ぷ〜太郎
2014/10/29 16:27

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