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zoom RSS 『鳥の道を越えて』:記録としての価値に加えて探偵的な面白さ @文化庁映画賞受賞記念上映

<<   作成日時 : 2014/11/01 18:40   >>

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映画鑑賞から1週間ほど経ってしまいましたが、11月1日から劇場公開がはじまったドキュメンタリー映画『鳥の道を越えて』を、文化庁映画賞受賞記念上映会で鑑賞しました。
本作品は本年(平成26年)度の優秀賞を受賞した作品です。
さて、映画。

岐阜県東白川村で暮らす祖父・今井照夫は、“鳥の道”があったという山を指さした。
「祖父の見た光景を見てみたい!」孫である監督は、その“鳥の道”を探し求めて旅に出る。
受賞記念上映会のページから転載)

同じく2008年度の優秀賞を受賞した『オオカミの護符』と同じく、記録という観点以上に、監督の興味・好奇心によって、どんどんどんどん鳥猟についての深みを探っていくあたりが非常に興味深いです。

上映後のティーチンでは監督と撮影者のおふたりが登壇されたのですが、若くて直情的な監督と、猪突猛進の監督を抑止するような撮影者のおふたりの関係が興味深かったです。

たぶん、この映画の良さは、このおふたりの組み合わせがよく、関心事項だけのひとりよがりにならずに、客観的にものごとをみるという構成が絶妙だと思いました。

ティーチインで撮影者のかたが話された以下の言葉が印象的でした。

 この映画から、失われてしまった山村での生活の厳しさを想像してもらえればありがたい。

30歳半ばの監督自身がいったように、現在の山村での生活は都会とそれほど大差はない。
食料も豊富だし、情報だって都会と変わらない。

しかし、昭和30年代までは、山村での生活は都会と比べ物にならないくらいに貧しかった。
特に、動物性タンパク質の摂取は、それまで文化的背景もあり、ほとんど獣肉食はなかったし・・・

そこで発達したのが鳥猟。
カスミ網による鳥猟は、渡り鳥がやってくるルートに沿って、特定の地域で発達したもの。
そして、猟をおこなうのにも、鳥たちの習性を熟知しなければならない。
どこで仕掛けても捕れるわけではなく、かなりの技能を有するもの。
一網打尽、というわけにはいかない。

カスミ網が禁止になったのは、戦後まもなく、GHQ高官が現場を視察したことが大きく関係している。
たしかに、大量捕獲とその眼に映っただろうが、明治以降の近代化で、それまで限定的だった狩猟が多くの庶民に解禁されたことも大きいし、近代化の中で鳥たちの食料が減ったことも大きい。
なにも、カスミ網だけが悪いわけではなかった。

まぁ、なにごともバランスなのだと思う。

また、ひとが生きていくには殺生せざるをえないことも忘れてはならない。
動物性タンパク質を得るためには、飼育しようが、捕獲しようが、いずれにせよ、殺生しなければならない。
どちらがよくて、どちらが悪いということはないだろう。

大賞受賞の『ある精肉店のはなし』ともども、そんなことを考えさせられました。

評価は★3つ半としておきます。

<追記>
オフィシャル・サイトはコチラから



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2014年映画鑑賞記録

新作:2014年度作品:75本
 外国映画47本(うちDVDなど 8本)
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旧作:2014年以前の作品:141本
 外国映画115本(うち劇場14本)
 日本映画 26本(うち劇場 5本)
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『鳥の道を越えて』の公式ホームページの「映画の感想」ページ(http://www.torinomichi.com/映画の感想/)から拙レビューにリンクが貼られました。公式ホームページもご覧くださいませ。
りゃんひさ
2014/12/11 23:07
本作品が「2014年度キネマ旬報ベストテン」文化映画第1位に選ばれました(詳しくは、 http://www.kinenote.com/main/kinejun_best10/2014/award/culture.aspx で)。

これを機に全国での上映が増えることを願っています。

りゃんひさ
2015/01/09 00:49

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