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zoom RSS 『白夜と配達人』:雄大な自然とひとを食ったようなユーモアと寂寞 @東京国際映画祭

<<   作成日時 : 2014/11/02 21:51   >>

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10月31日に閉幕した東京国際映画祭。
最後に観たのはワールド・フォーカス部門の『白夜と配達人』。
スカンジナビア半島に程近いロシア北西部の湖畔を舞台に、雄大な自然を背景にして、そこで暮らすひとびとの様子を鷹揚としたユーモアで描いた作品です。
では、映画。

ロシア北西部のケノゼロ湖。
ロシアの国定公園にしていされたその地域では、世間から隔絶されたようにひとびとがひっそりと暮らしている。
過疎も進み住民は数えるほど。
とはいえ、かつては、そこそこの住民もおり、学校もあった。

その地で生まれ育った郵便配達人の中年男は、郵便を届ける傍ら、週に数度、生活必需品を対岸の町で購入して、村びとに届けている。
配達人のかつての同級生の女性が生家を処分するために、幼い息子を連れて、一時的に戻ってきた。
配達人は女に少なからずの恋心を抱くとともに、彼女の息子と仲良くなる。

そんな中、配達人がいつも使っていたモーターボートのエンジンが何者かに盗まれるという事件が発生する。
外界との生活手段が途絶えるのは困ると、配達人は近隣の街へ陳情に出ることとした。
その小さな旅に、件の女性の幼い息子も、配達人について出ていく・・・

映画祭に紹介ページに掲載された予告編では、ほとんど何事も起こらないかのような茫洋とした映像が続くのだけれど、観てみると、配達人がかなりユーモラスでちょこまかちょこまかと動き回っていて可笑さを誘います。
大自然の雄大な景色もたっぷりと楽しめるし、村びとたちの単調な毎日もそこはかとなく描かれています。

が、この映画の面白さはそれだけでなく、少々人ひとを食ったようなユーモアにあります。
湖の周囲に雄大な自然は広がっていますが、近くには軍事基地もあり、映画の最後ではロケットも打ち上げられていきます。
その対比がなかなかに面白いです。

映画のラストで、年配の村びとが配達人にいう台詞がこの映画の本質を物語っています。
「年金は十分にあるし、店に行けば品物も豊富にある。しかし、毎日毎日が気が滅入る」と。
その台詞をいう男性は、映画の中盤では、「気が滅入って、ひとを殺したくなる・・・」とも配達人にいっています。

少々病んで、行き詰った現在のロシアの状況を示している台詞なのでしょう。

評価は★3つ半としておきます。

<追記>
監督はアンドレイ・コンチャロフスキー。
1980年代の『暴走機関車』『マリアの恋人』が印象深い監督です。
その後、『デッドフォール』などのハリウッドアクションなどを手掛けていましたが、ロシアに戻って、この作品を撮れてよかったと思います。
出演者は、同地に住む住人たちです。

途中、配達人が件の少年を連れてボートで湖から川をさかのぼり、鬱蒼と茂る森を背景に妖精キキモラのハナシをするあたり、独特の雰囲気が出ています。

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2014年映画鑑賞記録

新作:2014年度作品:79本(日韓合作1本あり)
 外国映画49本(うちDVDなど 8本)←カウントアップ
 日本映画31本(うちDVDなど 0本)

旧作:2014年以前の作品:141本
 外国映画115本(うち劇場14本)
 日本映画 26本(うち劇場 5本)
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コメント(1件)

内 容 ニックネーム/日時
静寂に包まれた癒し系の作品かと思いきや、なんともケッタイなユーモアにあふれた映画でした。最後の、湖のほとりで対話する二人の背後で、突如ロケットが発射される場面は、なんとも言えない味わいでした。
ぷ〜太郎
2014/12/06 00:44

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