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zoom RSS 『名探偵ポワロ』最終シーズン『象は忘れない』『ヘラクレスの難業』『カーテン』@DVD・レンタル

<<   作成日時 : 2015/01/09 23:25   >>

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デヴィッド・スーシェ演じる名探偵ポワロシリーズも大詰め。
昨秋2014年に放送された5作品をもって、幕。
その中から3作品、鑑賞しました。
2作品残っている中で、最終話『カーテン』も鑑賞することにしたのは、撮影と同じくこの作品を最後にするのは忍びないから。
さて、各エピソード。

*----------*
象は忘れない』は、原作者アガサ・クリスティが最後に書いたポワロもの。
(この後、第二次世界大戦中に書いた『カーテン』が出版されることになるのだが)

ポワロの旧友オリヴァ夫人が推理作家大賞を受賞する。
その授賞式会場で、旧知の見知らぬ夫人から、奇妙な依頼を受ける。
彼女はバートンコックス夫人といい、彼の息子デズモンドがオリヴァ夫人の名付け子シリア・レーブンズクロフトと、近々結婚するという。
依頼は、13年前に起こったシリアの両親の心中事件。
証拠不十分で心中と断定されたが、シリアの両親のどちらかが相手に恨みを抱いた上での殺人ではないかと思われる、どちらが相手を殺したのかを突き止めてほしいというもの。
オリヴァ夫人は、自身の手に余る内容だったので、ポワロに調査を依頼するが、ポワロはポワロで、友人のウィロビー博士の父親の殺害事件の調査に忙殺されていた・・・

タイトルにある「象」とは、ひとびとのこと。
オリヴァ夫人のヘンテコリンな連想により、歯のエナメル質から、なぜだか「ひとびと」と「象」が結びついてしまった故。

なので、レーブンズクロフト夫妻の心中事件の真相は、オリヴァ夫人が僻地にいって聞き込みすることになる。
ハナシとしては、オリヴァ夫人側とポワロ側とに分かれて進む物語が、いつしか関連をもってひとつに繋がる、というパターン。

登場人物はいささか煩雑だけれど、結構面白い。

出演陣としては、バートンコックス夫人を『ア・マン・イン・ラブ』『プラスティック・ナイトメア/仮面の情事』のグレタ・スカッキが演じているが、50歳を過ぎて、かなり容色が衰えておりビックリ。
他には、ウィロビー博士役を『トゥームレイダー』『スパイ・ゾルゲ』のイアン・グレンが演じており、こちらは、まぁそれほど変わらず渋い中年といったところ。

*----------*
ヘラクレスの難業』は、ドラマとしては最終話のひとつ前のエピソード。

原作は12の短編で構成された「ヘラクレスの冒険」。
ヘラクレスは英語読みでは「ハーキュリーズ」、フランス語読みでは「エルキュール」となるので、さしずめ「ポワロ活躍譚全十二編」といったところ。
ドラマでは・・・

高価な絵画・宝石を狙う凶悪犯マラスコー。
近頃の狙いは特定画家のギリシア神話シリーズの絵。
今回狙われたのは「ヘラクレスの難業」と題された絵画。
ポワロはその夜会での捜査に参加する。
その際、高価な首飾りを付けた囮役の女性に対し、必ず守ると約束したが、マラスコーの手により、絵画はもちろん、彼女がつけた首飾りも彼女の命も喪ってしまう。

数か月後、傷心のポワロは、ひょんなことから知り合った運転手の青年の失踪した恋人を探すことを約束して、アルプス山中のホテルへ向かう。
が、そこにもマラスコーの影がちらつき、国際警察がホテルを包囲していた・・・

と、ハナシとしては、複数の事件(元が短編なので)が入り乱れ、いささかとっ散らかった印象が残る。

ただし、ポワロ旧知の(というか最愛のひと)怪盗・ロサコフ伯爵夫人も登場して、やはり懐かしい感じを受けます。

で、重要なのは、タイトルに含まれた意味。
原題では「冒険(Adventures)」だったのが「難業(Labours)」となり、幕尻で犯人からポワロに対してその難業を示唆されます。

これは前シリーズの『オリエント急行の殺人』にもあった最終話『カーテン』への布石でもあります。

その意味では、『ヘラクレスの難業』『カーテン』の順で観ることをお薦めします。

*----------*
そして最終話『カーテン』。副題に「〜ポワロ最後の事件〜」と付されています。
まさに、最後の事件。

数十年ぶりにポワロからの誘いを受けたヘイスティングス大尉。
彼には成人した娘もおり、ポアロと再会するのは愉しみであった。
しかし、再会の地はスタイルズ荘。

ポワロと彼が初めて出遭った場であり、初めて殺人事件を解決した場でもある。
スタイルズ荘に逗留しているポワロは車椅子での生活を余儀なくされ、どことなく不吉な雰囲気が漂う。
さらにポワロは、ここが再び殺人事件の現場になるという。
未然に防ぐため、ポワロの耳目となってヘイスティングス大尉が活動するが、彼は娘の行状が気になって仕方がない・・・

ハナシはほとんど原作どおり。
といっても原作を読んだのは遥か30年以上も前なので、細部は結構忘れていた。

けれども、事件の結末や真の悪人などバッチリ覚えておりました。
真の悪人象などは、最近流行の『SHERLOCK/シャーロック』に登場するジェームズ・モリアーティやチャールズ・アウグストゥス・マグヌセンを思わせるほどの不気味さ・不愉快さで、このような悪人象を70年以上前に造形していたことにアガサ・クリスティの慧眼に驚嘆せざるを得ない。

『オリエント急行の殺人』『ヘラクレスの難業』から流れる底流は、すこぶる陰鬱でもある。

デイヴィッド・スーシェに配慮して、最終撮影を『死者のあやまち』にしたスタッフたちは賢明です。
やはり、この結末は、正義の名のもとといえども哀しすぎますもの。

*----------*
ということで、残り2本『ビッグ・フォー』『死者のあやまち』は「ポワロのメモワール」として愉しませてもらいます。


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