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zoom RSS 『あん』:閉じ込められた三羽の鳥たちのハナシ @ロードショウ・シネコン

<<   作成日時 : 2015/06/04 23:26   >>

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樹木希林、永瀬正敏、内田伽羅が共演した『あん』、旅行先のシネコンで鑑賞しました。
2日目の午前中、予定が何もなかったので、観光するほどの時間もないし、さてさてどうしたものかいな、と思っていたところ、ホテルから歩いていけるシネコンで上映していました。
こりゃ幸いということで、の鑑賞です。
なにも旅先で映画を観なくても・・・とは自分でも思うのですが、ね。
さて、映画。

東京の山間に近い小さな町。
そこにある、これまた小さなどら焼き屋。
中年店長の千太郎(永瀬正敏)が、あまり美味くないどら焼きを焼いて、中学生相手に小商いをしている。

ワカナ(内田伽羅)はそこの常連の中学生。
母子家庭で貧しく、友だちもおらず、千太郎から出来損ないのどら焼きをもらったりしている。

そこへ桜の咲いたある日、徳江と名乗る老女(樹木希林)がやってくる。
アルバイト募集の貼り紙をみた、手指が曲がって不自由だから安くていいから雇って欲しいという。
一旦は断った千太郎だったが、徳江のつくるあんが美味いことから、あんづくりとして彼女を雇うことにした・・・

というハナシ。

呉美保、西川美和、タナダユキなど、女性監督が活躍している現在だけれど、元祖女性監督ともいうべき河瀬直美の監督作品。
河瀬作品を鑑賞するのは、『萌の朱雀』以来になるから15年ぶりぐらいになりますなぁ。

この作品は、河瀬直美作品としては初めての原作もの。
そのせいか、ストーリーラインは、かなり判り易い。

ただし、予備知識なく観ていたもので、中盤、徳江がかつてハンセン病を患っていたことが判明する件で、いまどきこの話題なのかぁ、とかなり驚きました。

映画としては、うーむ、ちょっと肝心なところが欠けているかなぁ、という印象。

映画の核となるのは、次のふたつ。

ひとつは、ワカナが飼っているカナリア。
閉じ込められたカナリアは、三人三様の象徴。

隔離政策で人生の大半を世間から隔離された徳江。
過去の刃傷事件で小さなどら焼き屋に囚われたように生きている千太郎。
貧しい母子家庭を憂い、自分で自分の未来を閉ざしているワカナ。

陽のあたるところ(世間のあるところ)で暮らしてみたいと願って行動した徳江の行動が、結果として千太郎とワカナを解き放つことになるのだけれど、千太郎とワカナが決意・転換する瞬間が描かれておらず、判りづらく、感情移入しづらい。

もうひとつは、丁寧に小豆からあんをつくる徳江が、小豆に耳を傾けるところ。

あんになる前の小豆が、どのように過ごしてきたか、それを聞くんだよ。
だから、おいしくなれと願って、丹精を込めるんだよ。

徳江は千太郎にそう語る。

もの言わ(え)ぬものの声を聴く・・・
多くを語らなかった徳江の声を聴くのは、最期の最後、彼女が遺した手紙によって。

タイトルが『あん』なのだから、たぶん、こちらが本筋、物語の核なのだろう。
が、映画は先のカナリアに収斂している。
ならば、やはり千太郎とワカナが決意・転換する瞬間がどうしも欲しい。

なので、うーむ、ちょっと肝心なところが欠けているかなぁ、すとんと腑に落ちないもどかしさが残ってしまいました。

とはいえ、映画としては見応えあり、評価は★★★☆(3つ半)としておきます。



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2015年映画鑑賞記録

新作:2015年度作品:35本
 外国映画26本(うちDVDなど 1本)
 日本映画 9本(うちDVDなど 0本)←カウントアップ

旧作:2015年以前の作品:63本
 外国映画50本(うち劇場12本)
 日本映画13本(うち劇場 3本)
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