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zoom RSS 『ルック・オブ・サイレンス』:現実から眼を逸らすことが悪意を増長させる @ロードショウ・シネコン

<<   作成日時 : 2015/07/23 16:47   >>

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ゴールデンウィーク期間中にDVDで観たドキュメンタリー『アクト・オブ・キリング』の姉妹編『ルック・オブ・サイレンス』。
都内の単館から2週間遅れて、近くのシネコンで公開されたので、満を持して観に行きました。
さて、映画。

1965年インドネシアで起こった軍事クーデター。
その後、実権を握ったスハルト政権下で起こった大量虐殺。
『アクト・オブ・キリング』は、その実行者たちに当時の様子を再現させていくハナシでしたが、今回は、その映像を被害者遺族がみて、加害者に対峙していきます。

44歳の眼鏡技師アディの兄は、件の事件で兄を殺され、その後、2年後に生まれた。
父親は100歳を超え、母もかなりの高齢だ。

監督のジョシュア・オッペンハイマーがおおよそ10年前に行った加害者へのインタビュー映像を観る。
加害者たちは、村の近所に住んでおり、顔を合わせることもある。

眼鏡の調整と称して、その加害者たちに会い、当時の様子を聞き出していく・・・

といった内容。
前作が加害者たちから一方通行だったものが、被害者と加害者の双方向へと変化している。

加害者の言い分は前作から変わらない。

すなわち、
・知らない
・あれは善行だった
・おれはただ、これこれ(上からの命令や、直接ではない行為など)をしただけだ
・いまさら、ほじくり返してどうなる
など。

そんな言い訳ばかり。

アディは、彼らが行った行為が非道であったことを認めさせたいのだが、その他の被害者の心情は、どうなのか・・・

映画中盤で、虐殺の中で生き残った老人が登場する。
彼は、当時は若者で、アディの兄の友人で、虐殺から逃れた後、村から離れて暮らしていた。

その老人がいう。

過去のことは、ほじくり返さない方がいい・・・

えええっ!
たしかの老人の立場としては、生き残っていることが知れたら、余生がどうなるかはわからないが、それにしてもあんまりだ。

眼を閉じて、見ないでいれば、なかったことにできる・・・そういう、一種の諦めなのか。
現実から眼を逸らすことが、唯一の生存手段ならば、それは悲しく哀しい。

しかし、眼を逸らすことが、無自覚な悪意を増長させている。
それは明らかだろう。

非道な行為であればあるほど、その行為を見つめ、非道であることを認める。
そうでなければ、より善き世界には到達しないだろう。

そんなことを考えた一編でした。
評価は★★★★(4つ)としておきます。



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2015年映画鑑賞記録

新作:2015年度作品:54本
 外国映画42本(うちDVDなど 6本)←カウントアップ
 日本映画12本(うちDVDなど 0本)

旧作:2015年以前の作品:82本
 外国映画68本(うち劇場15本)
 日本映画14本(うち劇場 3本)
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