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zoom RSS 『家族の波紋』:英国上層階級家族に流れる不穏な空気を描いた映画 @DVD・レンタル

<<   作成日時 : 2015/08/14 22:36   >>

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VHSで観た『ひと月の夏』に引き続き、自宅でミニ英国映画祭の2本目は『家族の波紋』。
『マイティ・ソー』の敵役トム・ヒドルストンがブレイクする前に主演した映画で、日本では劇場未公開です。
本作に対して、ベネディクト・カンバーバッチが「素晴らしい!」とコメントしたということでのレンタルです。
さて、映画。

イングランドの西南に位置するシリー諸島(現代「ARCHIPELAGO」は諸島、島々の意味)。
そこに別荘を持つ裕福な上層家族。
エイズ撲滅のボランティアとしてアフリカに向かうエドワード(トム・ヒドルストン)の出発までの2週間を、家族で過ごすこととした。

別荘に訪れたのは、エドワードと姉シンシア、それにふたりの母親。
父親は別途やってくる予定である。
三人を世話するのは島のはずれに住むローズという女性。
彼女の役割は家族のために料理を作ること。

母とシンシアは、別荘近くに住む画家のクリストファーに絵画を習うこととした。
無為に過ごす、エドワードはいつしかローズに惹かれていくのだが・・・

というハナシ。

このように書くと、ロマンスが絡んだ映画のように思えるが、そうではない。
不穏で険悪な雰囲気が流れている家族の物語だ。

その根底にあるのは英国的上層家庭。
彼らは、まぁいえば、下々の者に対して慮ってやる必要はないし、不満や不都合があっても決してことを荒げるようなことはしないように、躾けられている。

なので、アフリカにボランティア志願したエドワードは、母やシンシア、ましてや父親には全く理解できない。
そして、志願したエドワード自身が、アフリカ行を迷っている始末だ。
さらに、家族からみれば「たかが料理人風情」のローズに心を寄せ、親切に振る舞うさまも、母やシンシアには理解できない。

シンシアは、映画では描かれていないがおそらく一流の会社などに勤めるキャリアパーソンなのだろう。
その世間ずれして、世知辛く、不満や不都合があるとストレートに態度や口に出してしまう姿は、母やエドワード、ましてや父親にはこれまた全く理解できない。

そして、そんな二人の娘と息子を管理(コントロール)できない母親はフラストレーションが溜まるが、子どもたちの父親は不在である。

そういった、いつ爆発してもおかしくないような家族の不穏で険悪な様子を、フルショットサイズの固定カメラで写していきます。

風が強く、海沿いに立木が斜めを向いているさまや、『嵐が丘』を思わせる荒涼とした風景などを交えての、淡々とした演出は非常に取っ付きにくい印象があります。
しかしながら、観ているうちに、家族に流れる不穏で険悪な雰囲気が肌に感じられて、興味を惹かれました。

後半、母とシンシアが師事する初老の画家が、家族の中での「父性」を象徴するようになって、かなりドラマ度はあがります。
それでも、普通のホームドラマと比べる、非常に非常に抑制が効いた映画でした。

この上層階級家族の不穏さ、名門パブリック・スクール出のベネディクト・カンバーバッチが「素晴らしい!」とコメントしたのも判りました。

評価は★★★☆(3つ半)としておきます。



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2015年映画鑑賞記録

新作:2015年度作品:63本
 外国映画49本(うちDVDなど 7本)←カウントアップ
 日本映画14本(うちDVDなど 0本)

旧作:2015年以前の作品:91本
 外国映画76本(うち劇場15本)
 日本映画15本(うち劇場 4本)
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