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zoom RSS 『日本のいちばん長い日』岡本喜八監督版:太平洋戦争の狂乱・混沌ぶりを1日に凝縮 @名画座

<<   作成日時 : 2015/08/25 16:38   >>

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お盆前後に観た日本映画の旧作の3本目がこれ、岡本喜八監督の1967年製作『日本のいちばん長い日』。
観るのは今回が初めて。
先に観た原田眞人監督版と観比べたく、また、劇場でフィルム上映されるということでもあり、近くの名画座まで足を運びました。
先の原田眞人版のレビューでも書いたとおり、岡本喜八版での「日本のいちばん長い日」は、「夜明け前がいちばん暗く長い」として玉音放送前日の8月14日を指しています。
さて、映画。

映画はプロローグ、第一部(14日午後から真夜中まで)、第二部(15日未明から夜明けまで)、エピローグに分かれています。

プロローグは仲代達矢のナレーションで、開戦からその日(昭和20年8月14日)までを20分程度で説明します。
第一部は、ポツダム宣言受諾から昭和天皇の玉音放送録音まで、第二部で、陸軍幕僚たちによる決起と玉音放送の録音盤の争奪が描かれ、エピローグでは太平洋戦争の犠牲者たちの数が再びナレーションとともに読み上げられる、という構成。

橋本忍の脚本は、8月14日(から15日未明にかけて)の1日で太平洋戦争の狂乱・混沌ぶりを描くとともに、(映画製作当時の平和の礎となった)犠牲者たちへの鎮魂歌と読み取れました。

ここには、戦争の当事者・経験者(図らずも巻き込まれてしまった、という感が強いのですが)としてのの視点があり、それが原田眞人版と決定的に異なるところです。

そして岡本喜八監督は、橋本忍の脚本の上に、活劇としての面白さを構築しようとしています。

したがって、第二部にあたる陸軍幕僚たちによる決起もさることながら、第一部のポツダム宣言受諾をするか/しないかも、異様なほどの緊張と迫力をもって描いていきます。
この演出は、オールスターキャストによる演技陣の力演もあって、相当なものです。
山村聡扮する海軍相や宮口精二扮する外相は、原田眞人版のそれとは雲泥の差があります。
(ただし、鈴木貫太郎首相は原田眞人版の山崎努の方に軍配を上げますが)

で、この相当な迫力が実はいま観ると曲者。

阿南陸軍相に扮する三船敏郎は、どうみても古(いにしえ)の侍。
決起する陸軍幕僚たち(黒沢年男(怪演)、高橋悦史久保明など)は、散り行く徒花(あだばな)として、いずれも悲壮美があります。

この悲壮美は、戦争を知らない(想像すらできない)ものにとっては、麻薬のようなものかもしれません。
そう、却って、誤って毒されてしまうような・・・つまり、「命に代えて、何かを守ることが美しい」といったような。
(ここ数年のヒーローものには、そのような傾向があるのでは、と懸念懸念)

とても面白く、そして興味深く観たのですが、原田眞人版と並べて観るのが、戦後70年という節目には相応しかったと感じました。

評価は★★★★(4つ)としておきます。



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2015年映画鑑賞記録

新作:2015年度作品:68本
 外国映画51本(うちDVDなど 8本)
 日本映画17本(うちDVDなど 2本)

旧作:2015年以前の作品:96本
 外国映画78本(うち劇場15本)
 日本映画18本(うち劇場 5本)←カウントアップ
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