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zoom RSS 『大怪獣決闘 ガメラ対バルゴン』:シンポジウムの内容もご紹介 @文化庁映画週間

<<   作成日時 : 2015/10/29 00:29   >>

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毎年東京国際映画祭の時期にあわせて開催されている文化庁映画週間。
受賞したドキュメンタリー作品を観るのが楽しみなのですが、今年はシンポジウムが「怪獣からKAIJUへ」と題した内容で、金子修介監督、大森一樹監督、富山省吾プロデューサーが登壇。
怪獣映画世代としては見逃せない、ということで、シンポジウムと初代ガメラの第2作『大怪獣決闘 ガメラ対バルゴン』の特別上映に参加しました。
企画の順序とは逆に、まずは映画から。

『大怪獣決闘 ガメラ対バルゴン』は、先にも書いたとおり、初代ガメラシリーズの第2作目。
初代のガメラシリーズは最終作の『ガメラ対深海怪獣ジグラ』以外は観たことがない。
(テレビで放映しているのは何作か観た記憶はあるけれど、どれがどれだったかしらん、といったところ)
なので、本作品も興味深く観ました。

「大怪獣決戦」と銘打っているものの、ガメラとバルゴンの対決シーンは少ない。
前半は、ニューギニアでの巨大オパール(実はバルゴンの卵)探しをする本郷功次郎らによるアドベンチャー映画で、中盤以降は卵から孵化して巨大化したバルゴンと自衛隊との対決が主となる。
バルゴン対自衛隊は、各種の作戦を実行するが上手くいかず、最後は怪獣本能にめざめたガメラがバルゴンを倒すというハナシになっている。

繰り広げられる作戦は、珍にして奇なるものもあるのだけれど、バルゴンの生態に則して一応辻褄があっており、なかなか工夫されている。
また、怪獣対決も、四足怪獣対四足怪獣と、あまり映画で観ないタイプの激突で、着ぐるみも重量感もあって迫力。
101分の超尺ながら、かなり愉しめました。

評価は★★★(3つ)としておきます。



つづいてはシンポジウムの内容を少しばかり。

登壇者三名ともそれぞれの個性があり、プロデューサーの富山省吾は、さすがにビジネスマンらしさを感じるものでした。
つまり、日本映画の怪獣の出自を分析するとともに、ゴジラ映画が世界でヒットしたのはハリウッドと巧みにビジネスができたからだと結論づけていました。

これに対して、金子修介監督、大森一樹監督のおふたりはかなり個性的。
ですが、タイプがまるっきり異なります。

金子修介監督は、自分の作品とその世界観を大切にするアーティスト(芸術家肌)。
大森一樹監督は、どんな題材でも巧みに水準以上に仕上げるクラフトマン(職人肌)。

それが如実にわかるものとして、大森監督が次のように発言していました。
「金子監督はボクのガメラ、というけれど、まぁ、ゴジラはみんなでつくったようなもの。それでゴジラはスターなんで、ゴジラを立てればなんでもありのスター主演のファミリーピクチャ」と。
むふふふ、なるほどねぇ。

「なので、ファミリーピクチャに少女のエロティシズムは要らんのよ」と続き、少々金子監督映画に登場する少女趣味を揶揄しており、一触即発の雰囲気も。

しかしながら、金子監督も怪獣映画については鋭い見識を持っており、それが次のようなものです。

「日本は戦後、戦争というものは、ないものとして隠蔽されてきました。映画においてもそうで、戦争映画というと反省と悲劇ばかりが繰り返されていました。
その中で、怪獣映画は一種の戦争映画の代替で、大きなものを倒すアクション、男の子においてのリビドー象徴のようなものではないか」と。

なるほど、これは鋭い。

「だから、ボクの映画では男の子の欲望の対象として、怪獣以外にも美少女が登場するわけで・・・」と続き、それが、先の大森監督の「ファミリーピクチャに少女のエロティシズムは要らんのよ」の発言の源となったわけ。

それとは別に、金子監督は「(戦争はないものという前提が危うい)現状を踏まえると、日本の怪獣映画は少々危険なところに来ているかも」とも危惧しており、大森監督も「庵野(秀明)と樋口(真嗣)はファミリー向けとは言えへんからなぁ」と言い、さらには富山プロデューサーまでが「庵野から、率直な意見を、といわれたので初稿を読んで、かなり意見を言いました」との発言。
なんとなく和製ゴジラの新作『シン・ゴジラ』が不安になってきました・・・

<追記>
10月8日の「ニューヨーク・コミコン2015」で公開された「GAMERA」の新映像30秒版の上映もあり、それに対して金子監督が「長尺の4分版では、平成ガメラの世界観を踏襲しているので、著作周辺権的はマズイのでは」と指摘していました。
ガメラの新作も大丈夫かしらん・・・心配。

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シンポジウム終了後のフォトセッションの様子(左から、角川書店代表取締役・井上 伸一郎、金子修介監督、大森一樹監督、富山省吾プロデューサー(敬称略))

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2015年映画鑑賞記録

新作:2015年度作品:96本
 外国映画70本(うちDVDなど14本)
 日本映画27本(うちDVDなど 4本)

旧作:2015年以前の作品:115本
 外国映画92本(うち劇場15本)
 日本映画23本(うち劇場 8本)←カウントアップ
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コメント(2件)

内 容 ニックネーム/日時
シンポジウム後のフォトセッションの写真(わたしが撮影したもの)をアップしました。
りゃんひさ
2015/11/15 22:51
面白く読ませていただきました。怪獣世代ではない私にとっては、「いいオッサンが何を熱く語っとるねん!?」といったところですが、米映画のゴジラはやはり嫌いです。というか、あれはゴジラではない。でもガメラは巨大なカメだと思っています。
ぷ〜太郎
2015/11/29 21:59

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