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zoom RSS 『炎628』:本当の戦争を見せてやる、来りてこれを見よ @名画座

<<   作成日時 : 2015/11/01 18:40   >>

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「観ずに死ねるか!傑作絶望シネマ88」と題する本の出版にあわせて企画された特集上映のスピオフ2本立て上映で鑑賞したのは『炎628』と『ファニー・ゲーム』。
ともにフィルム上映。
特に『炎628』はスタンダードサイズでの上映と、デジタルばかりの劇場・スクリーンが多くなった中では貴重な機会。
ただし、機材の都合(フィルム映写機1台で、大巻リールを交換する必要があると思われる)で、途中に5分ほどの休憩が入ったが。
さて、映画。

第二次大戦中の白ロシア。
牧歌的な村々は、ナチスドイツの占領下にあり、男たちはパルチザンとなってナチスドイツに抵抗していた。
とある村の少年フリョーラは友だちとかつて戦場であった砂山を掘り、一丁の銃を見つける。
それをきっかけにして、フリョーラはパルチザンに加わり、戦争の現実に直面していく・・・

といったハナシ。

とにかく、リアリズムの演出で、観ていて気分が重くなる。

パルチザンの一隊と離れたフリョーラが故郷の村に戻ると、村の住人は虐殺されており、残った村民は泥沼に浮かぶ島に逃げている。
その島まで、フリョーラと連れの娘が泥沼の中をもがきながら進んでいくシーンなど、凄まじい。

また、森でふたりが爆撃に遭い、その音のすさまじさからその後耳が聞こえなくあたりも、キーンという残響音がいつまでも続き、観ている方も戦場にいる気分になってしまう。

さらに凄惨なのは終盤のナチスドイツ軍による村民大虐殺のシーン。
村の納屋に押し込めた村民(女子供たち)を、ドイツ兵が火炎放射器で焼き殺してしまうのだ。
死体などは写し出されないが、あまりの悲惨さに直視できないほど。

冒頭ではまだ少年少年していたフリョーラも、映画の終りには、まるで老人のような相貌になってしまう。

この映画、リアリズム演出でナチスドイツの非道ぶりを描くだけではなく、ある種の寓意も秘められている。

冒頭の砂山から銃を掘り出すフリョーラたちに対して、村の古老が「銃など掘り出すな、禍を招く」と忠告し、フリョーラは戦渦に巻き込まれていく。
また、ラスト、フリョーラはヒトラーの写真に対して何度も何度も発砲していくが、映画では、その度に、ヒトラーとナチスの興隆の実録フィルムが巻き戻して写していく。
しかし、実際には時間を巻き戻すことは不可能だ。
つまり、戦争という愚行は巻き戻すことはできないし、ヒトラーひとり撃っても変わらない、人間の根底に悪がある限り変わらない、そう言っているように思える。

「絶望的」な映画なのだけれど、この寓意性があることで、観終わって絶望しなくてすみました。

評価は★★★★☆(4つ半)としておきます。

<追記>
原題は英語で表現すると「Come and See」、「来りて、これを見よ」です。
日本タイトルの『炎628』は、白ロシアでナチスに焼き払われた村が628あることに由来します。




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2015年映画鑑賞記録

新作:2015年度作品:101本
 外国映画72本(うちDVDなど16本)
 日本映画29本(うちDVDなど 5本)

旧作:2015年以前の作品:116本
 外国映画93本(うち劇場16本)←カウントアップ
 日本映画23本(うち劇場 8本)
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