キネマのマ 〜 りゃんひさ 映画レビューなどなど

アクセスカウンタ

zoom RSS 『ひつじ村の兄弟』:ある種の神話性や寓意を感じる老兄弟の物語 @ロードショウ・単館系

<<   作成日時 : 2016/01/12 00:28   >>

ブログ気持玉 0 / トラックバック 0 / コメント 1

画像

2016年のロードショウ鑑賞作品第1作目はアイスランド映画『ひつじ村の兄弟』。
アイスランド映画といえば2014年公開の『馬々と人間たち』が鮮烈な印象を残しています。
さて、映画。

アイスランドの辺鄙な村で、固有種の羊を飼って暮らす老兄弟。
互いにいがみ合っていて、隣り合う広大な敷地の真ん中は、鉄線の柵で仕切られており、もう40年近くも口を利かないという有様。
ある日、コンテストで優勝した兄の羊が伝染性BSEに感染していることを知った弟は・・・

というハナシ。

荒涼とした風景のなかで語られる兄弟の話は、ある種の神話性や寓意を感じさせる。
従順な純血種の羊。
弟はその羊たちの多くを自らの手で屠る。
しかし、その貴重な血は残しておきたいと、不法行為に及ぶ。

兄は兄で、弟が、伝染病に気づき、保健局に密告したために、いまの困窮があると恨む。
保健局への申告は正当なのだけれど、過去の諍いから、兄には背信のように感じている。

そのふたりの確執が、純潔種の羊を守りたい一心で、どこか通じ合っていく。
憎しみながらも、水よりも濃い血に抗えない、とでもいうように。

そしてクライマックスは、テオ・アンゲロプロス監督もかくや、とわんばかりの真っ白で厳しく、かつ幻想的な画面を魅せてくれる。
遺された羊たちを、猛吹雪のなか、兄弟たちが追うさまは、映画の「画力」を感じさせる。
さらに、エンディングシーンも驚きだ。

和解というのではなく、もっと直接的で直截的な「ふれあい」には、命の力も感じさせる。

この物語に神話性を与えたものとして、荒涼たる風景に加えて、もうひとつ重要なアイテムがある。
それは、十字架。
純血種の羊を匿う弟の家の、地下室に降りる階段のところに架けられている。
なにかしら、神の存在を信じたくなってくる気持ちにさせられました。

評価は★★★★(4つ)としておきます。

<追記>
帰省中に、20年ぶりぐらいにテアトル梅田を訪れました。
以前と比べて劇場が広くなり、観易くなっていました。
従業員たちも丁寧に対応しており、気持ちよく鑑賞することができました。


------------------
2016年映画鑑賞記録

新作:2016年度作品:1本
 外国映画 1本(うちDVDなど 0本)←カウントアップ
 日本映画 0本(うちDVDなど 0本)

旧作:2016年以前の作品:2本
 外国映画 2本(うち劇場 2本)
 日本映画 0本(うち劇場 0本)
------------------

テーマ

関連テーマ 一覧


月別リンク

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!
ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。
→ログインへ

トラックバック(0件)

タイトル (本文) ブログ名/日時

トラックバック用URL help


自分のブログにトラックバック記事作成(会員用) help

タイトル
本 文

コメント(1件)

内 容 ニックネーム/日時
アイスランド映画は「馬々と人間たち」同様、独特な魅力にあふれています。地味なんだけれど力強く、最後にはすごい迫力となって迫ってきます。これもラストが驚きでしたね。
ぷ〜太郎
2016/03/23 16:09

コメントする help

ニックネーム
本 文
『ひつじ村の兄弟』:ある種の神話性や寓意を感じる老兄弟の物語 @ロードショウ・単館系 キネマのマ 〜 りゃんひさ 映画レビューなどなど/BIGLOBEウェブリブログ
文字サイズ:       閉じる