キネマのマ 〜 りゃんひさ 映画レビューなどなど

アクセスカウンタ

zoom RSS 『イタリアは呼んでいる』:虚構と現実の境界は曖昧、って小難しいことは置いておいて @DVD・レンタル

<<   作成日時 : 2016/03/21 22:53   >>

ナイス ブログ気持玉 1 / トラックバック 0 / コメント 1

画像

2015年公開作品のDVDでの落穂拾いを再開2本目は『イタリアは呼んでいる』。
マイケル・ウィンターボトム監督がスティーヴ・クーガンとロブ・ブライドンの主演コンビで撮った旅行映画。
ロードムーヴィといえばいえるのだろうけど、単なる旅行バナシというのが正解。
さて、映画。

テレビ番組で人気のロブ・ブライドンのもとにイタリア旅行の仕事が舞い込んだ。
友人であるスティーヴ・クーガンとともに、詩人バイロンとシェリーのイタリアでの足跡を巡る旅とすることにした。
ふたりの間では他愛ないおしゃべりが絶えない。
特に、ロブは映画の一場面を茶化した物まねで、おしゃべりを続けていく・・・

というハナシには、ほとんどストーリーはない。
スティーヴ・クーガンとロブ・ブライドンのふたりは、本人の役で登場している。

まぁ冒頭のふたりが交わす『ダークナイト・ライジング』でのトム・ハーディとクリスチャン・ベイルの台詞回しが全然わからなくて助監督や監督を困らせている(に違いない)というおしゃべりで、こりゃダメだぁとなるひとは多いだろう。
が、ここんところで一気に引きずり込まれました。
なんとも無意味な会話、だけれどその無意味さが旅のルポという仕事を大いなる余暇の時間に変えている。
スティーヴとロブという有名人でありながら無名の存在になるとでもいおうか、まぁそんなところ。

こんな余暇の時間にイタリアを経巡るという贅沢(なにせホテルはすべて五つ星、風光明媚なリゾート地)をするわけだけれど、ほとんど変態的私生活を送った詩人バイロンとシェリーの足跡を辿るというのだから、なんとも英国人的にひねくれている。
そんなひねくれ加減と余裕という組み合わせが面白い。

それをマイケル・ウィンターボトム監督は肩ひじ張らずに撮っている。
それもほとんど判で押したように、
ローバーで旅するふたりの無駄なおしゃべり、息を呑む風景、ゴージャスなホテル、料理する厨房、美味しそうな料理
といった映像を繋いでいく。

工夫がないといえばそうなんだけれど、この工夫のなさが不思議とイタリアの空気を感じさせてくれるから面白い。

先に、ほとんどストーリーはないと書いたが、英国内のテレビだけが活躍の場だったロブに来たハリウッド映画(マイケル・マン監督のマフィアもの)のオーディションのハナシだとか、彼のアヴァンチュール(古い言い方!)だとか、スティーヴと妻・息子とのちょっとしたギクシャクぶりだとか、ちょっとしたエピソードは挟み込まれている。
判で押したような映像のつなぎの合間合間にそれらのエピソードが登場するので、それがかえって生々しい。

そう考えるとこの映画、『いとしきエブリデイ』や『天使が消えた街』など最近のマイケル・ウィンターボトム監督が撮るテーマのひとつ、虚構と現実の境界・それらの混合、みたいなものが見えてきて興味深い。
まぁ、そんなこと考えずに気楽な中年男ふたりの旅を愉しめばいいのだけれど。

この映画のなかで飛び切り身に染みた台詞があるので、最後に紹介しておきます。
「若い頃はちょっとした陰は魅力だけれど、中年になると全力で笑わないとただの陰気な男にみえてしまう」

これは、忘れちゃいけないことだな、絶対。

評価は★★★☆(3つ半)としておきます。

<追記1>
この映画、実はシリーズ2作目らしく、前作は同じコンビで英国の湖畔地域のグルメ旅をしたらしい。
日本での劇場公開はなく、『スティーヴとロブのグルメトリップ』のタイトルでDVD化されているので、機会があったら観てみたいです。

<追記2>
スティーヴとロブがおしゃべり中に挙げる映画の数々はとにかくものすごい。
いくつかの映画は観ていなかったので、この映画、映画ガイドの役割もありますね。



------------------
2016年映画鑑賞記録

新作:2016年度作品:22本
 外国映画16本(うちDVDなど 0本)
 日本映画 6本(うちDVDなど 1本)

旧作:2016年以前の作品:18本
 外国映画16本(うち劇場 3本)←カウントアップ
 日本映画 2本(うち劇場 0本)
------------------

テーマ

関連テーマ 一覧


月別リンク

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!
ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。
→ログインへ
気持玉数 : 1
ナイス

トラックバック(0件)

タイトル (本文) ブログ名/日時

トラックバック用URL help


自分のブログにトラックバック記事作成(会員用) help

タイトル
本 文

コメント(1件)

内 容 ニックネーム/日時
この作品、イタリア好きの私としては観たかったもの。で、観たらイタリアより中年男二人が前面に出すぎてる〜。その上、どうして中年男って「ゴッドファーザー」が好きなんでしょうかね。でもガラガラ声のアル・パチーノが若い頃は全く違っていたことや、これまた大好きなおヒューの物まねなど、面白いところもたくさんありました。
ぷ〜太郎
2016/03/23 16:03

コメントする help

ニックネーム
本 文
『イタリアは呼んでいる』:虚構と現実の境界は曖昧、って小難しいことは置いておいて @DVD・レンタル キネマのマ 〜 りゃんひさ 映画レビューなどなど/BIGLOBEウェブリブログ
文字サイズ:       閉じる