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zoom RSS 『ブロークン・ポイント』:チェーホフの『かもめ』を80年代米国にアレンジ @DVD・レンタル

<<   作成日時 : 2016/03/24 15:08   >>

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ベン・ウィショーが中央に写ったジャケットに惹かれてDVDレンタルした『ブロークン・ポイント』、ウィリアム・ハートやジャン・レノも出演していることもあり、さぞやゾクゾクするのではないかと思いましたが・・・
ありゃりゃ、サスペンス映画ではなく、アントン・チェーホフの戯曲『かもめ』にインスパイアされたドラマでした。
さて、映画。

1980年代半ばのアメリカ、世間ではロナルド・レーガン大統領の再選をアピール中。
ニューイングランドの沼地近くに実家のある女優エリザベス(アリソン・ジャネイ)は、愛人の若い映画監督ピーター(クリスチャン・カマルゴ)を伴って帰省した。
9月初めのレイバーデイとともに、病気を患っている父親ハーブ(ウィリアム・ハート)の誕生日を祝うためだ。
実家では父の他に、長兄のヨハン夫妻(ミカエル・ニクヴィスト、チェリー・ジョーンズ)と作男のビッグ・ジム(ラッセル・ミーンズ)も暮らしており、今回の集まりにはヨハンの娘アレックス夫婦(ケイティ・ホームズ、マーク・ライランス)、エリザベスの息子エリック(ベン・ウィショー)、永年の一家の主治医であるルイス(ジャン・レノ)も集まっていた。
ヨハンは、近隣の森林監視人で密猟を監視している。
アレックスの夫スティーヴンは、彼女とは年が離れており、最近娘が生まれたこともあり、アレックスから「お父さん」と呼ばれているが、それを年のせいもあると気にしている。職業は鳥類学者で、森に暮らす白頭鷲を観察している。
エリックは前衛アーティストで、この夜、幼馴染のエヴァ(ジュリエット・ライランス)とともに、野外の簡素な舞台でパフォーマンスをすることにしていた・・・

というハナシ。
長々と設定を記したのは理由があって、とにかくこの人物配置が前半ほとんどよく呑み込めない。
もとがチェーホフの『かもめ』だと知っていれば理解できるのだろうけれど、脚本も演出も整理が出来ていなくて、理解するのに30分以上費やしてしまった。
全尺が90分なので、3分の1ほど費やしたことになる。

物語は、世界的に変わりゆく80年代(この数年後にベルリンの壁は崩壊し、映画でも終盤すこし描かれる)、この変貌する世界のなかで移ろいゆく家族を、アメリカ国家の衰退とともに描いていくのだけれど、映画が面白くなるのは中盤当たりから。
スティーヴンが観察している白頭鷲をエリックが謝って射殺してしまってからのこと。
この事件をきっかけに、先に挙げた世界の変貌と家族の変化がリンクしていく。

エリックが陰ながら思いを寄せているエヴァは、この沼地での生活に嫌気がさし、映画監督のピーターに連れて逃げてくれと懇願する。
また、エリザベスの不可思議な欲求不満のはけ口として、ピーターにエヴァと関係を持つよう(映画では、持つなと忠告しているのだが)誘導する。
このことで、エリックの情緒が、それまで以上にエキセントリックとなり、先の白頭鷲射殺事件に至るわけである。

終盤は、父親ハーブの病状悪化と、ピーターの逃亡と事故、それにともなうエヴァの死が描かれ、ある種、家族崩壊の様相を呈してくる。
ただし、瓦解するところまではいたらず、どことなく微妙なバランスを保っている。

そして、エンディングは数年後のベルリンの壁崩壊のとき。
一命を取り留めたハーブのもとに再び一同は会することになるのだが、エリックはエヴァの亡霊に導かれてしまう・・・

こうやってあれこれ映画のストーリーを追っているとかなり面白そうなのだが、映画的にはいまひとつ。
先にあげたとおり、前半の人物整理が上手くいっていないのが尾を引いて、映画を観る集中力が途切れてしまう。
また、映画巻頭では、映画監督ピーターのモノローグで始まるので、余所者から観た家族の崩壊、のようなお膳立てかと思いきや、途中からその視点も消え失せてしまう。
さらに、ベン・ウィショー、ウィリアム・ハート、ジャン・レノ、本国版『ドラゴン・タトゥーの女』のミカエル・ニクヴィスト、『ブリッジ・オブ・スパイ』のマーク・ライランスら男優陣に比べて、女優陣が弱く、特に中心となるエリザベス役のアリソン・ジャネイに魅力・凄みが乏しい。

スティーヴ・コーセンスの撮影はジトッとした沼地の風景描写など観るべきところはあるものの、クリスチャン・カマルゴの脚本・演出が未整理なので、出来としてはいまひとつである。

評価は★★☆(2つ半)としておきます。



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2016年映画鑑賞記録

新作:2016年度作品:22本
 外国映画16本(うちDVDなど 0本)
 日本映画 6本(うちDVDなど 1本)

旧作:2016年以前の作品:20本
 外国映画18本(うち劇場 4本)←カウントアップ
 日本映画 2本(うち劇場 0本)
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