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zoom RSS 『虹蛇と眠る女』:ひとも家族も脆く壊れやすい @ロードショウ・単館系

<<   作成日時 : 2016/03/06 01:39   >>

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ニコール・キッドマンが25年ぶりに故郷オーストラリアで主演した『虹蛇と眠る女』、ロードショウで鑑賞しました。
おぉ、かなりミステリアスで扇情的なタイトルだこと。
「虹(THE RAINBOW)」と「蛇(THE SERPENT)」といえば、好事家りゃんひさ的には「THE SERPENT AND THE RAINBOW」。
1988年にウェス・クレイヴンが監督した『ゾンビ伝説』の原題だ。
まぁ、今回の映画にはまるで関係ないのだけれど、虹も蛇も民俗学的には重要な要素なのだ(と思う)。
さて、映画。

舞台は、オーストラリアの砂漠地帯にある100戸程度の小さな町。
マシュー(ジョセフ・ファインズ)とキャサリン(ニコール・キッドマン)の夫妻は、15歳の娘リリー、弟のトミーとともに、最近越してきた。
かつて暮らしていた街で、リリーが学校教師とただならぬ仲になったことが原因で、逃げ出した格好だ。
越してきた町は狭くて娯楽も乏しく、子どもたちは町に馴染めない。
ストレスからか、トミーは夜な夜な部屋を抜け出し、近所を歩き回ったりしている。
ある夜、リリーもトミーとともに、夜、自室を抜け出し、朝になっても帰らなかった・・・

というハナシ。

ミステリーならば、子どもふたりが姿を消したのは事故なのか事件なのか、その動機は何なのかが興味の焦点になるし、まぁ、日本タイトルからはそんな映画だろうなぁ、と期待する。
しかし、そんなところに関心を抱いていると、この映画、非常につまらなくなってしまう。

たしかに、ふたりの子どもが姿を消したのは謎めいているが、判ってしまえば、それはありきたりのことだった。
なぁんだ、どんでん返しみたいのはないのか、と拍子抜けしてしまうようなことなのだ。

じゃぁ、この映画の見どころはどこかというと、それは、ひとも家族も脆く壊れやすく、壊れていくさまは恐ろしい、ということ描いていく。

この町に引っ越してくる以前から、(子どもの眼からみると)壊れているマシューとキャサリンの仲。
子どもたちの失踪を機に、ふたりは、仲が壊れるだけでなく、人格さえも壊れてしまう。
ふたりとも情緒不安定になり、マシューは暴力的になり、キャサリンは性的不安定なっていく。

その崩壊力は、子どもたちを捜索の中心となる警官のレイ(ヒューゴ・ウィーヴィング)にも及び、彼とアボリジニの恋人コリーンとの仲にも亀裂が入る。

この壊れていくさまを、ニコール・キッドマンもジョセフ・ファインズもリアリティをもって表現しており、鋭く胸に突き刺さる。

特に、行方不明の子どもを案ずるあまり、アボリジニの虹蛇の伝承にまですがらざるを得なくなってしまうキャサリンには、ニコール・キッドマンの体当たりの演技もあって驚かされる。

ラスト、マシューとキャサリンは少なからず互いを理解するのではあるが、すべてを受け容れたわけでもなく、この落としどころも、また現実的だと感じました。

評価は★★★☆(3つ半)としておきますが、どちらかというと4つに近いです。

<追記>
原題は「STRANGERLAND」。
警察署の入り口に表記されていたので、町の名前だと思います。
日本タイトルは「ストレンジャーランド 砂漠に子どもが消えた街」ぐらいのほうがよかったのではありますまいか。

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2016年映画鑑賞記録

新作:2016年度作品:18本
 外国映画13本(うちDVDなど 0本)←カウントアップ
 日本映画 5本(うちDVDなど 1本)

旧作:2016年以前の作品:16本
 外国映画14本(うち劇場 3本)
 日本映画 2本(うち劇場 0本)
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コメント(1件)

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ほほう、そういう映画でしたか。ニコール・キッドマンにイマイチ興がのらないのでパスしましたが、内容的には深いものありましたね。
おすもうさん
2016/03/16 17:58

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