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zoom RSS 『孤独のススメ』:緩やかな描写から一気に加速してカタルシスへ @試写会

<<   作成日時 : 2016/04/01 00:37   >>

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ディーデリク・エビンゲ監督・脚本のオランダ映画『孤独のススメ』、試写会で鑑賞しました。
オランダ映画というと・・・あまり観た記憶がない。
なので、ちょっと過去の鑑賞履歴を探してみると、『君がくれた翼』という緑まぶしい田舎町での少年とカラスの物語を以前観ていました。
本作もオランダの田舎が舞台。
雰囲気はアキ・カウリスマキ監督などの北欧映画に似た味わいがありました。
さて、映画。

オランダの田舎町で独りで暮らす中年男性フレッド(トン・カス)。
町は教会を中心にした小さな集落で、誰もが皆、顔見知り。
ある日、フレッドの向かいの家に、奇妙な男テオ(ルネ・ファント・ホフ)が現れて、ガソリンがほしいといっている。
その奇妙な男は、昨日フレッドの許を訪れ、同じようにガソリンがほしいといった。
ガソリンのないフレッドはわずかばかりの金を渡して、彼を追い払ったのだが、どうも嘘だったらしい。
嘘というよりも、テオは口もほとんど利かず、どこかヘンなので、実際のところはわからない。
テオに、昨日の金の代わりに、玄関前の敷石の掃除をさせたフレッドは、労をねぎらうために彼を室内に招き入れた・・・

というところから、フレッドとテオの奇妙な同居が始まる・・・といったハナシ。

中年男ふたりの奇妙な同居生活をシュールな笑いで描いただけの映画かと思っていると、後半、物語は一気に加速し、爆発的なカタルシスが訪れる。
加速する物語は、唐突起こるのではなく、前半に丹念に布石が打たれていて、翻ってみると、実によく出来ている。

フレッドの独り暮らし・・・
若い頃の妻と幼い息子の写真が飾られている。
妻が事故死したことは早々にわかるのだけれど、その事故で息子も亡くなったかどうかは語られない。

テオの奇妙な行動の原因・・・
先天的なものものかしら、と思っていると、さにあらず。
フレッドの過去と心情的に同化してくるところがある。

フレッドが暮らす小さな集落・・・
集落の皆が教会に通い、日曜日の礼拝では皆、座る場所が決まっているほど。
フレッドの家の向かいに住む中年男は、教会の役員かなにか。
しかし、その彼も心に何かを抱えており、それがまたフレッドの過去に関係がある。

フレッドとテオが同居し始めてすぐに、彼らふたりに同性愛の噂が立つ・・・
ただ単ににテオが、フレッドの亡き妻の洋服を着ているからだけではない。

と、これらの要素が、後半、ストンと腑に落ちて、感動を呼び起こします。
(ただし、どのように展開するのかは書きません)

そして、重要なのは、映画の奥底に流れる宗教観。
受容と赦し。
これが大きなテーマでしょう。

受け容れることなく、赦すことなく、生きてきた男が、あることがらを受け容れる。
それが、赦し(ひと皆、神の前で平等であることで得られる赦し)になるというものです。

クライマックスで歌われる「This Is My Life」、鳥肌ものでした。

評価は★★★★☆(4つ半)としておきます。

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2016年映画鑑賞記録

新作:2016年度作品:25本
 外国映画18本(うちDVDなど 0本)←カウントアップ
 日本映画 7本(うちDVDなど 1本)

旧作:2016年以前の作品:22本
 外国映画20本(うち劇場 4本)
 日本映画 2本(うち劇場 0本)
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