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zoom RSS 『イニシエーション・ラブ』:映画の約束事を知っているひとほどヒッカカル @DVD・レンタル

<<   作成日時 : 2016/04/02 10:03   >>

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多作で多彩な堤幸彦監督の2015年公開作品『イニシエーション・ラブ』、DVDで鑑賞しました。
昨年は本作に加えて『悼む人』『天空の蜂』も公開されて、その多芸ぶりに驚かされました。
デビュー当初は「チャラケただけの監督」と思っていたのですが、『明日の記憶』『包帯クラブ』あたりで注目するようになりました。
そんな彼が撮った本作の謳い文句は「最後の5分 全てが覆る。あなたは必ず 2回観る。」
ということで、どんなトリッキーな映画なのかしらん・・・
さて、映画。

1980年代後半の静岡。

side-A:太目で暗い雰囲気の大学4回生の鈴木(亜蘭澄司)は、気乗りしないまま合コンに参加する。
そこで出逢った歯科助手のマユ(前田敦子)と、意外にも恋愛関係に発展し、「たっくん」と呼ばれるようになった彼は変身していく・・・

side-B:マユとの交際から静岡の会社に就職した「たっくん」(松田翔太)は、6月に東京転勤を命じられ、その後マユとの交際は遠距離恋愛になってしまう。
東京から愛車を駆って静岡まで戻る「たっくん」こと鈴木は、同僚の美弥子(木村文乃)に心を奪われるとともに、次第にマユへの熱も冷めていき、彼女の妊娠・中絶により、その恋愛は決定的な終局を迎えてしまう。
そして、鈴木は美弥子と恋に落ちるが・・・

という二部構成。

原作は未読だけれど、この内容ならば、叙述トリックのはず。
さらりと読み飛ばした小さな単語が実は巧妙なヒッカケだった、とかの類。
その他としては、語り手がいつしか別人だった、とか。

この手のトリックは、映画(映像化)するのが難しい。
そもそも、小説の文法と、映画の文法は異なるからで、画面でみせてしまうと、明らかに別人だったとか、そんな些細な小道具には気づかないよ、とかになっちゃうからだ。

けれど、そこは才人・堤幸彦。
映画の文法を逆手にとって、トリックを成立させている。
逆にいうと、映画の文法を知っているひとだけがトリックに引っかかってしまう。

かくいうりゃんひさもトリックに引っかかった(終盤で気づいたので、正確には、引っかかりかけた、のだけれど)。
トリックは、side-Aからside-Bへのつなぎの1点だけ。
そしてそのトリックを支えるお約束は、「子ども時代の子役と、成長した際のおとなの役者は似ていなくてもOK」というもの。

しかし、この1点だけで映画を成立させてしまう堤幸彦、恐るべし。
たぶん、彼以外は、こんな企画、馬鹿らしくて映画にしないようにも思える。

だがだが、堤幸彦の才人ぶりは、これだけではなく、演技指導面でも素晴らしく、亜蘭澄司・前田敦子・松田翔太の演技に一貫性を持たせることで、違和感なくトリックを成立させている。
また、映画の語りとしては余計とも思える、最後5分のネタバラシだけれど、スプリットスクリーンを用いて的確にみせていくあたり、監督として「これがやりたかったのか」と思わせる。

ただの二股バナシを、大胆に映画化した堤幸彦監督に拍手を送りたい。

評価は★★★☆(3つ半)としておきます。



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2016年映画鑑賞記録

新作:2016年度作品:25本
 外国映画18本(うちDVDなど 0本)
 日本映画 7本(うちDVDなど 1本)

旧作:2016年以前の作品:23本
 外国映画20本(うち劇場 4本)
 日本映画 3本(うち劇場 0本)←カウントアップ
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