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zoom RSS 『卒業』:喜劇→悲劇→喜劇、最後に不安で不安 @DVD

<<   作成日時 : 2016/05/15 00:36   >>

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かつての映画手帖をひっくり返したりしながら、別のブログ「キネマの記」で映画回想録を記していると、思いがけない効果がある。
それは、十代の頃に観た映画を改めて鑑賞するということ。
以前『ジョンとメリー』もこの一環で観たものだが、今回の『卒業』もそう。
マイク・ニコルズ監督のこの『卒業』、テレビでは何度か観たけれど、劇場で観たことはなかった。
なので、英語発声ノーカットで観るのは今回がはじめて。
そう思うと、ちょっと恥ずかしい。
さて、映画。

米国東海岸の大学を文武両道優秀な成績を修めて卒業し、西海岸の実家に戻ってきた青年ベンジャミン(ダスティン・ホフマン)。
彼の帰郷パーティで、ふとしたことから父親のビジネスパートナー氏の夫人ミセス・ロビンソン(アン・バンクロフト)と関係を持つようになった。
大学は卒業したけれど、人生の入り口に立ったばかりのベンジャミンは、夫人との情事に耽る。
が、ある日、夫人の娘エレーヌ(キャサリン・ロス)と出逢い、本当の恋に落ちてしまう・・・

というお馴染みのハナシ。

これって基本コメディですね。
まだ何者でもない青年が泥沼の事態に陥り、そこから抜け出そうとするハナシ。
そして、これが喜劇フェーズと悲劇フェーズに分かれていて、最後はもういちど喜劇に戻る・・・と。

前半のミセス・ロビンソンとのエピソードが喜劇のA面、後半のエレーヌとのエピソードが悲劇のB面。
それが最後に花嫁強奪の喜劇で再び幕を閉じる、と思いきや、どうもそんな感じで終わらない。

十代の頃に観たときにも感じたけれど、このラスト、決してハッピーエンドでない。

本物の恋の相手と駆け落ちするんだからハッピーエンドなのかもしれないが、エレーヌは他人の子どもを身ごもっている(ショットガン・マリッジ云々というセリフがあることから判る)。
それを思い出してかバスの最後部に座ったベンジャミンもニコニコ笑いが消えている。

エレーヌしてもそうだ。
不幸な結婚生活を送って、結局のところベンジャミンを誘惑するぐらいしか愉しみがなくなってしまったミセス・ロビンソンの不幸な結婚生活のはじまりも、予期せぬ妊娠。
母親と同じ結果になるのかしらん。
その上、お腹の中の子どもは、いっしょに逃げるベンジャミンではないし、と浮かぬ顔。

ふたりの前途は決して明るくない。

このラストショット、実は「カット」の後にもカメラを廻していたらしい(同時収録されたダスティン・ホフマンのインタビューでわかる)。

まだ何者でもない青年、ただただ両親世代と同じようにはなりたくないと願っている青年の前途は不安だらけ。
この不安だらけが、この映画を輝かせている。

ま、サイモンとガーファンクルの音楽、マイク・ニコルズ監督の才気走った画面構成、不安と孤独を強調するズームバックと顔のアップなど、その他にも素晴らしいところはたくさんあるんだけれども、ね。

評価は★★★★☆(4つ半)としておきます。



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2016年映画鑑賞記録

新作:2016年度作品:35本
 外国映画25本(うちDVDなど 0本)
 日本映画10本(うちDVDなど 1本)

旧作:2016年以前の作品:43本
 外国映画35本(うち劇場 8本)←カウントアップ
 日本映画 8本(うち劇場 2本)
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