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zoom RSS 『赤い砂漠』:現代にも通じる漠然とした生への不安 @DVD

<<   作成日時 : 2016/07/22 22:05   >>

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ミケランジェロ・アントニオーニ監督の1964年作品『赤い砂漠』、以前購入していたDVDで鑑賞しました。
前回アントニオーニ監督作品『さすらい』を観たのは、いつのことだったかしらん・・・
よし、アントニオーニ作品を観てみるぞ、と一念発起したような記憶があるんだけれども。
さて、映画。

過去に交通事故を負ったジュリアナ(モニカ・ヴィッティ)は、いまだに後遺症により精神が不安定。
ストの最中に、工場で働く夫(カルロ・キオネッティ)のもとへ幼い息子を連れて訪れる。
そこでジュリアナは、夫から同僚のコラド(リチャード・ハリス)の紹介を受ける。
彼は、ブエノスアイレスに新設する工場の職工を集める仕事をしているのだが、ジュリアナの精神状態に共鳴してして惹かれあっていく・・・

というハナシで、メロドラマっぽい設定なんだけれども、そんな要素はほとんどない。
いやあるにはあるが、普通にいうメロドラマとは遠くかけ離れている。

「愛の不毛」という言葉で括られがちなアントニオーニであるが、この映画での主題は「生への不安」。
漠然と感じる生への不安が、明確に屹立していくというもの。

なので、ストーリーらしきものはあってなきがごとしで、画面構成と効果音を含む音楽でみせていきます。

冒頭から映し出される、灰色の工場群。
色彩はほとんど感じない。
そんな中を歩くジュリアナのコートの緑が鮮やか。
そして、後半になると、緑の補色・赤が全面に押し出されてくると、かなり凝った画面構成。
カメラのカルロ・ディ・パルマの腕がさえる。

人工物を中心にとらえる画面だけれども、後半、ジュリアナが息子の語って聞かせる物語の映像は、真っ青な海を舞台にしており、まったく違った印象をもたらしてくれる。

画面構成は群を抜いて素晴らしいが、物語的にはいまひとつで、中盤延々と繰り広げられる、夫の友人たちとの川岸のぼろ小屋での与太話などは、結構辟易してしまう。
まぁ、辟易したあたりで、小屋の窓の向こうに大型船が姿を現し、それが伝染病を運んできたのではないかと不安を駆り立てるあたりは、これまた上手いのだけれど。

演技陣は、モニカ・ヴィッティの厭世的(というか、そもそも現実と折り合えていない)な雰囲気が素晴らしいが、それを受けるリチャード・ハリスがただたんに「辛ねりむっつり」しているだけなので、もうひとつ興味がわかない。
とはいえ、それ以外の演技も、この映画ではできないんだけれど。

ということで、今日にも通じる興味深い題材だし、画面構成も目を見張るのだけれど、評価は★★★☆(3つ半)としておきます。


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2016年映画鑑賞記録

新作:2016年度作品:55本
 外国映画38本(うちDVDなど 3本)
 日本映画17本(うちDVDなど 2本)

旧作:2016年以前の作品:65本
 外国映画52本(うち劇場 9本)←カウントアップ
 日本映画13本(うち劇場 5本)
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