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zoom RSS 『ミモザの島に消えた母』:三代に渡る秘密を持った女性たちの物語 @ロードショウ・単館系

<<   作成日時 : 2016/07/29 23:26   >>

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フランス映画『ミモザの島に消えた母』、ロードショウで鑑賞しました。
この映画、ことしのフランス映画祭で上映されたものですが、ことし上映された作品は続々と一般公開が決まっており、なかなか楽しみ。
さて、映画。

ことし40歳になるアントワン(ロラン・ラフィット)は、半年ほど前に離婚したばかり。
別れた妻と妹のアガット(メラニー・ロラン)が職場の同僚という少々ややこしい関係だ。
アントワンには思春期の娘ソフィー(アン・ロワレ)とも、どうもしっくりいっていない。
そんなこんなで、精神状態は、やや不安定で、セラピーにも通っているが、一向に改善しない。
というのも、以前から心を占めているのは、30年前に亡くなった母のことがあるから。
母の死に釈然としないものがあり、父親とも祖母とも関係がうまくいっていない。
不信は募るばかりで、改めて、母の死について調べてみたが・・・

というハナシで、家族の秘密にまつわる、ちょっとしたミステリー映画。
ちょっとした、と書いたのは、いわゆる推理もののようなミステリーではないからだけれど、謎的要素はふたつほどある。

<以下、ネタバレ>

ひとつは、若き日の母親の行状。
もうひとつは、母親の死に、誰がどのようにかかわっていたのか。

ひとつめが、すこぶる興味深かった。

アントワンとアガットというふたりの子どもを得ていながらも、夫と姑との軋轢(というか、ほとんど被支配的情況)のなかで、若き日の母親は英国女性と恋に落ちるのである。
1980年代といえでも、閉鎖的な環境の中での、女性同士の恋・・・

それだけならば、ふーん、そうなのかぁ、といったところなのだが、この恋愛に対する感情が家族の中で、どのようになったのかが、非常に興味深い。

映画の中で、アントワンの娘ソフィーも同性愛志向であり、そのことを父親のアントワンに打ち明けられないことから、父娘の関係がギクシャクしているのは明示的に描かれている。
それだけではなく、大きく描かれないが、妹のアガットにも、その傾向がある。
(なかなか彼氏と長続きしない、ソフィーの同性愛相談に乗る、母親の形見の指輪をアントワンから贈られる、といった描写がある)

つまり、母、娘、孫に秘められた「女性の秘密」なわけである。

その源となる母親の死の直前に、母親の決定的瞬間を目撃するのが、幼いアガットだというあたりも、すこぶる興味深い。

このひとつめの家族の秘密がわかってからの後半、映画は面白くなっていくのだけれど、そこへ至るまでが、かなりもたもたして、観ていて興ざめしてしまう。
というのも、前半が、40男のアントワンが、陰鬱な顔をして、母親の死の秘密を探求するのだが、ロラン・ラフィットに深みがなく、ただただ陰鬱な顔をしているだけで、観ていて気が滅入ってしまうからだ。

ひとつめの秘密がわかるのが、ほぼ映画の中盤あたりなので、もっと早めに明らかにして、女性三代(祖母も入れると四代か)の物語が屹立していけば、もっともっと面白くなったのに、と残念。

そして、もうひとつの謎、母親の死に、誰がどのようにかかわっていたのか。

これについては、書かない。

邦題にある「ミモザの島」=ノワールムティエ島と本土を結ぶ道、塩の満干によって現れたり消えたりする道、それがうまく使われていることだけを記しておきます。

ちょっと残念なところはあるのですが、メラニー・ロランが結構好きなのでオマケをして、評価は★★★☆(3つ半)としておきます。

<追記>
日本での売り方も配給側でも迷ったようで、まるっきり印象の異なるデザインのチラシが2種類つくられていますね。

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2016年映画鑑賞記録

新作:2016年度作品:59本
 外国映画42本(うちDVDなど 4本)←カウントアップ
 日本映画17本(うちDVDなど 2本)

旧作:2016年以前の作品:67本
 外国映画54本(うち劇場11本)
 日本映画13本(うち劇場 5本)
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コメント(2件)

内 容 ニックネーム/日時
この作品は結構好きです。確かに、前半はアントワンの役者に魅力がなくイライラするのですが、母親の同性愛がわかってからの展開はすこぶるよく、直接の死の原因になったところは「おおっ〜」思いました。素材的にもっと面白くできたであろう作品なので、そこが残念です。
ぷ〜太郎
2016/08/17 15:13
ぷ〜太郎さん、コメントありがとうございます。
たしかに、素材的にはもっと面白くできた作品だと思います。
でも、はじめから妹を主役にすると、面白くなくなっちゃうのかもしれず、そこいらあたりが難しいところです。
りゃんひさ
2016/08/18 23:39

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