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zoom RSS 『徘徊 ママリン87歳の夏』:ボケとツッコミと覚悟 @アンコール上映・単館系

<<   作成日時 : 2016/07/08 23:24   >>

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昨年秋ロードショウのドキュメンタリー『徘徊 ママリン87歳の夏』、アンコール上映で鑑賞しました。
ひとことでいえば、認知症を患った母親と娘を撮ったドキュメンタリーなのだけれど、まぁ、(そんなに歳ではないと自覚しているが)老いが近い身としては、この手のドキュメンタリーには興味を抱きます。
眼を逸らせば、そういうことにならない、ということではないのでね。
さて、映画。

大阪北浜に暮らす酒井アサヨ章子の母娘。
母は認知症を患い、娘は6年ほど前から独り暮らしだった母を自宅に引き取った。
けれども、母親は娘のマンションを棲み処とは思わず、常に「家に帰るぅ」といって、マンションを飛び出してしまう。
母親が帰ろうとするのは、むかし住んだ門司の家・・・

という日常をカメラは捉えていく。
逃げ出す母親。
母親に見つからぬように、知らんぷりして後をつける娘。
幾度となく繰り返される逃走劇と追跡劇の間に繰り返されるのは、ほとんど噛みあわない両者の会話・・・

観ているとなんだか頭が痛くなってくるひとがいるかもしれない。
ひどいときの母親は、娘のアパートを刑務所だと思っているし、自分はなぜか知らねどお巡りさんに捕まったと思い込んでいる。
こういう主張を繰り返す母親を、ときに受けとめ、ときにあしらい、まぁそんなことは考えんでよろし、といなす娘。
ボケとツッコミとでもいったらいいような会話なのだ。

なかなか、こうは、いかない。

周囲からみれば、認知症というのは病気だと判っていながらも、どこが痛い、あそこが動かないとかいわないので、なんだか病気のように思わない(ことが多い)からだ。
それに、年上・目上のひとなんだから、いつかは完治して元のとおりに戻ってくれるとおもっている節もある。
だからして、こちらからみて辻褄のあわない、理屈にあわないことを延々と繰り返されると、途中で(それもかなり早い段階で)嫌気が差してくるんだと思う。

それをこの娘さんは覚悟を決めている。
曰く、
「10歳ぐらいまでの分別がつくぐらいまで育ててもらったんだから、まぁ、10年ぐらいはお返しするのは仕方ない(当たり前と言ったかも)かな」と。

ふむ、そんな覚悟、簡単にできない。
立派である。

どうしてこんなに覚悟を決められるのだろうか・・・
周囲のサポート?
たしかに、徘徊するおばあちゃんを近所のひとは気にかけていて、見つけたら、「あれ、どうしたん? まぁ、休んでいき」みたいな感じで引きとめて保護したりもするが、それだけではないだろう。

やっぱり、「わたしはいつ死ぬんかなぁ」という母親に対して、「人間はいつか死にます、必ず死にます、死ぬのは神様が決めてくれます。せやから、ごちゃごちゃ考えんのは止しとき」という娘さんの言葉どおりなのだろう。
つまり、不安かなぁ、不安かしら、やっぱり不安、ああ安心して生きられない、って不安ばっかり抱えていてもしかたがない。
死は万人が受けた当たりくじ。
まぁ、どうにか、なりますわ、死ななん限りは生きてるんやし。
生きている限りは死なんのやし。

かなり元気をもらったドキュメンタリーでありました。

評価は★★★★(4つ)としておきます。

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2016年映画鑑賞記録

新作:2016年度作品:48本
 外国映画32本(うちDVDなど 0本)
 日本映画16本(うちDVDなど 1本)

旧作:2016年以前の作品:62本
 外国映画49本(うち劇場 9本)
 日本映画13本(うち劇場 5本)←カウントアップ
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コメント(2件)

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あっこちゃんという娘さんはある意味すごい人だと思いましたね。もともとクヨクヨしない性格だったんでしょうけれど、それでもあそこまで覚悟して臨むのは並大抵なことではありません。彼女を観るための作品だと言ってもいいくらいです。
ぷ〜太郎
2016/07/11 15:19
ぷ〜太郎さん、コメントありがとうございます。
彼女半分ぐらいの覚悟は持ちたいものです。
(半分ってどれぐらいかはわからないんだけれども)
りゃんひさ
2016/07/11 22:18

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