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zoom RSS 『彩り河』:当時、世間の松本清張離れを決定づけた作品 @DVD・レンタル

<<   作成日時 : 2016/08/08 15:07   >>

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先にレビューした『悪霊島』と一緒にレンタルしたのこの作品。
松本清張原作の1984年松竹映画『彩り河』。
実のところ、未見の金田一もの『病院坂の首縊りの家』を借りようと思ったのだけれど、生憎貸し出し中で在庫がなかった。
さて、どうしようかと思案したところ、『悪霊島』の近くに並べてあったこの作品が目に留まり、この作品にした次第。
1984年の松竹製作作品で、この映画は観ていなかったし、若いころの名取裕子はどんなものかしらん、と興味もあったのでレンタルしたが・・・
さて、映画。

1980年代の銀座。
政界、財界の御用達、そして、ネオンきらめく彩り河。
そこの会員制クラブのママ(吉行和子)は、ある相互銀行の会長(三國連太郎)の囲われ者だ。
その会長は、過去に実にあくどいことをしており、いくつかの殺人にも手を染めていた・・・

というハナシは、1984年時点でも、相当に前時代的であり、権力を有している者が色と欲に狂っているというようなハナシである。
その狂った男に人生を翻弄された男たちが復讐をするというのが主軸で、そこへ若い男女(真田広之、名取裕子)が絡んでいく。

とにかく脚本がヒドイ。

監督も務める三村晴彦のほかに、仲倉重郎、加藤泰、野村芳太郎の四人が名を連ねているが、とりとめがない。

DVD同時収録の「特報」「予告編」とみると、おぼろげに理由がわかる。

松本清張の新作長編小説の映画化権を買ったあと、第一回監督作品の『天城越え』(原作・松本清張)で評判を得た三村晴彦に脚本を書かせたけれど、どうにも映画としての見どころに乏しい。
特報には、真田広之、名取裕子の名がないところから推測するに、たぶん、このときの映画は、相互銀行の会長に翻弄された中年男性たちのハナシだったように思える。
同じ松本清張原作の『わるいやつら』『逃走迷路』で、社会の巨悪(政財界の下衆なひとびと)を描いて、観客動員に陰りが見えていた松竹は、若手の真田広之、名取裕子というふたりを確保して、映画の方向性を変えようとしたのだと思う。
さらに、真田広之、名取裕子のふたりは、当時すでに東映作品で実績もあるので、たぶん、それほど、撮影期間がなかったと思われる。

で、仲倉重郎、加藤泰の出番で、男女の執着を盛り込もうとしたのだろうが、失敗。
さらに、製作も兼ねている野村芳太郎も登場して訂正しようとするが、社会の巨悪中心に挑む男たちのハナシに、若い男女の恋愛がうまく絡むはずもなく、とりとめのない作品になったと推察する。

それは演出にも表れていて、あまりにも下衆な三國連太郎たちと、一瞬で恋に落ちる若い二人を延々とカットバックで写すシーンに表れている。
(たぶん、ここは、三村監督が書いていなくて、先輩たちの脚本を立てたように見える)

ということで、この映画はヒドイ。
この映画のあと、松本清張原作の映画は2009年の『ゼロの焦点』までない。
テレビの単発ドラマでも1991年まで間が空いている。

まぁ、この映画のせいだけではなく、時代に翻弄されたひとびとを描いていた松本清張が、いつしか翻弄する側の下衆な権力者を描くようになって、そっぽを向かれるようになったことに気づかなかった当時の映画会社が悪いのではあるが。

評価は★★(2つ)としておきます。

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2016年映画鑑賞記録

新作:2016年度作品:61本
 外国映画43本(うちDVDなど 4本)
 日本映画18本(うちDVDなど 3本)

旧作:2016年以前の作品:74本
 外国映画57本(うち劇場11本)
 日本映画17本(うち劇場 5本)←カウントアップ
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