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zoom RSS 『恋恋風塵』:硬質な侯孝賢的演出が幅を利かせてきた一篇 @名画座

<<   作成日時 : 2016/08/16 21:44   >>

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冬冬の夏休み』と併せて鑑賞した侯孝賢(ホウ・シャオシェン)監督の1987年製作『恋恋風塵』。
初公開時に、『悲情城市』と2本立てで観て以来なので、25年ぶりぐらいになろうか。
初鑑賞の際に、非常に感銘を受けた作品だったので、今回の2本立ても、この作品が目当てでした。
さて、映画。

台湾山間部の炭鉱の村、阿遠少年と阿雲少女は一つ違いの幼馴染。
高校進学を勧められるも、阿遠は台北に働きに出ることを決意する。
印刷工場に勤めていた阿遠は、雇い主の女主人と反りが合わず、友人に誘われて配達業に転職する。
阿雲も1年後に台北に出て、縫製工場で働くようになり、ふたりは依然と同じように愛を育んでいくはずだったが、阿遠は2年間の兵役に就くことになる・・・

というハナシで、兵役がふたりの仲をおのずと引き裂いていく、といった切ない青春物語。

いってしまえば(身も蓋もないかもしれないが)、よくあるハナシで、目新しくはない。
なので、注目すべきは、侯孝賢監督の演出。

『冬冬の夏休み』から僅か3年で、独自の演出方法を体得している。
それは、侯孝賢的演出ともいうべき、ポジション固定の遠景という演出方法で、『悲情城市』では全編をこの方法で通したのだが、この映画ではそこまでは至っていない。
この固定の遠景という画は、環境や時代といったものをまるごと捉えて、その中を人物がうごめいているかのようなイメージが強い。
『悲情城市』では、この演出が驚くほど効果を表したのだけれど、本作では少し技巧が鼻につく感じがしてしまい、やや興ざめ。

初鑑賞時は、侯孝賢監督のフィルモグラフィを意識することなく観ていたので、90年初頭の当時、この演出スタイルで描かれるオーソドックス(古臭いともいえる)物語に感銘を受けたのだけれど、フィルモグラフィを意識して観てみると、どうにも堅苦しくて若い男女の甘酸っぱさがストレートに沁みてこない。
まぁ、こちらも中年(もう初老か)になったこともあるのかもしれないけれど。

とはいえ、完成度は高く、この作品を独立してみた場合は、評価せざるを得ないのであるが。

評価は★★★★(4つ)としておきます。

<追記>
『冬冬の夏休み』と本作の間に作られた、観逃している『童年往事/時の流れ』は是が非でも観ないといけないなぁ。


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2016年映画鑑賞記録

新作:2016年度作品:64本
 外国映画45本(うちDVDなど 5本)
 日本映画19本(うちDVDなど 3本)

旧作:2016年以前の作品:77本
 外国映画60本(うち劇場14本)←カウントアップ
 日本映画17本(うち劇場 5本)
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コメント(2件)

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はるか昔に観て、あまり感銘もしなかった覚えがあります。「ふ〜ん」っていう感じで・・・。侯孝賢監督作品はあまり面白くない印象があるのですが、「悲情城市」を含め、見直さなければいけないかも。
ぷ〜太郎
2016/08/17 14:49
ぷ〜太郎さん、コメントありがとうございます。
>侯孝賢監督作品はあまり面白くない印象があるのですが
というのは同感かなぁ。
とはいえ、歳を経て、もういちど観てみたい監督であります。
りゃんひさ
2016/08/18 23:33

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