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zoom RSS 『酒とバラの日々』:鬼気迫るジャック・レモンとリー・レミック @DVD

<<   作成日時 : 2016/09/21 14:08   >>

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ブレイク・エドワーズ監督の1962年作品『酒とバラの日々』、買い置きDVDで鑑賞しました。
一週間ほど前に、同じくジャック・レモン主演の『あなただけ今晩は』を観たのですが、あちらは1963年作品。
おっ、さすがは名優、芸域が広い。
特にこの時期は、1959年『お熱いのがお好き』、1960年『アパートの鍵貸します』、そして1962年の本作と、毎年のように米国アカデミー賞主演男優賞にノミネートされていたので、脂がのっている時期。
ただし、主演男優賞受賞の1973年『セイブ・ザ・タイガー』は劇場未公開・・・と、これはまた別の話。
さて、映画。

宣伝会社に勤めるジョー・クレイ(ジャック・レモン)は、日々の接待漬けの生活に嫌気が差している。
それを埋めるのが酒だ。
ある日、担当会社のパーティで秘書のカーステン(リー・レミック)と知り合い、結婚する。
交際しはじめた頃は酒を飲まなかったカーステンであったが、ジョーと暮して彼につきあっているうちに、日中でも酒を飲むようになった。
そして、ジョーの飲酒はひどくなり、宣伝会社も解雇され、4年間で5つの会社に勤めては解雇されるの繰り返し。
街角のショーウィンドウに映った自分の姿をみて、浮浪者と見間違うほどになってしまう・・・

というハナシは、オープニングのヘンリー・マンシーニの甘美な主題曲とは裏腹に、厳しく、暗く、重い。
ただし、ジョーとカーステンが知り合って結婚するまでのくだりは、ブレイク・エドワーズ監督の軽妙な演出が効いている。

そうそう、このことのブレイク・エドワーズ監督は、前年の1961年に『ティファニーで朝食を』を、翌年の1963年に『ピンクの豹』を撮っており、これまた脂がのっている時期でもある。

さて、その後はアルコール依存症(当時はアルコール中毒と言っていたが)の凄まじさが描かれる。

心を入れ替えて断酒を誓い、カーステンの実家の園芸農場で働くふたりだったが、数か月の断酒と顧客からの評判に気をよくしたふたりは、軽い気持ちから酒をひとくち、口にしてしまう。
そうなっては、もういけない。
とめどもない酒への欲求が沸いてくる。
部屋に隠し持ってきた2本を、あっという間に飲み干したふたり。
ジョーは、温室の鉢の中に隠したボトルを、土砂降りのなか探しに行く。
4列目5つ目の台の3つ目の鉢だったか、5列目4つ目の台の3つ目の鉢だったか、それとも3列目だったか、ジョーは思い出せない。
そのうち、誰がボトルを隠したんだ!と狂気に駆られて、温室のなかを目茶目茶にしてしまう。

この描写が凄まじい。
ジャック・レモン、鬼気迫る演技である。
そして、ブレイク・エドワーズ監督も、その鬼気迫る演技をワンカットで撮る。

その後映画は、再び断酒を決意し、AA(アルコホーリクス・アノニマス)で更生することを決意する。
それは、アルコール依存症であることを認めるところから始まる。

そして、そのことによって、自身を依存症であることを認めたくないカーステンとの間に溝を作っていく・・・

終盤はさらに厳しい。
そして、あまりに寂しい。

タイトルの『酒とバラの日々』(原題「Days of Wine and Roses」)はアーネスト・ダウスンの詩の一節から採られたもので、映画の前半に登場する。
ワインとバラの日々は幸せなひととき、しかしその幸せは儚く消えて、かくもごとき夜が訪れる。

幸せの象徴である酒に身を亡ぼす、とても哀しい映画でした。

評価は★★★★(4つ)としておきます。


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2016年映画鑑賞記録

新作:2016年度作品:82本
 外国映画58本(うちDVDなど 8本)
 日本映画24本(うちDVDなど 4本)

旧作:2016年以前の作品:91本
 外国映画73本(うち劇場14本)←カウントアップ
 日本映画18本(うち劇場 5本)
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