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zoom RSS 『ふたりの桃源郷』:劇映画以上に劇的なドキュメンタリー映画 @文化庁映画週間

<<   作成日時 : 2016/10/31 23:21   >>

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毎年楽しみにしている文化庁映画週間。
2本目は、『ふたりの桃源郷』。

山口県のローカル放送局・山口放送が25年間取材してきた山で暮らす老夫婦のドキュメンタリー。
もともとは、ローカルニュースのトピックス程度のものだったらしいが、継続的に取材をし、ドキュメンタリー番組として放送した何本かの番組映像ソースに、新たなに撮影した映像を加えて再編集したもの。
以前鑑賞した『夢は牛のお医者さん』も、ひとつの対象を継続的に取材して、その結果を1本の映画にまとめたものだったが、この手のドキュメンタリー作品にはローカル放送局の強みが発揮できる。

電気も水道も電話もない山口県の山奥で暮らす田中寅夫さん・フサコさん夫妻。
ふたりは戦後まもなく、この地を開墾して家族で住んでいたが、高度経済成長期には大阪に移住していた。
しかし、寅夫さん65歳のとき、「ふるさとへ戻ろう」と決意し、この山へ戻ってきた・・・

山口放送のカメラが入ったのは寅夫さんが77歳のとき。
ポスターに用いられているの姿は、そのころのもの。
このときのふたりは、まだまだ元気、矍鑠(かくしゃく)としている。

しかし、10年後には、もうかなりふたりとも老い苦しい。
以前は米と野菜とを作っていたが、もう米は作れない。
年金で買うものも増えてきた。
それまでは、食べ物のほとんどは自分たちがつくっていたものだったが、もうそうではない。
インスタントラーメンに魚肉ソーセージをのっけたもの・・・
この食事風景は、とてつもなく寂しく、悲しい。

そして、ふたりはその後、山を下り、老人ホームに入居するのだが、それでも自動車で通っては、畑仕事をしていた。
しかし・・・

その後、ふたりの山の人生は、劇的に変化する。

大阪や奈良に住む三人の娘たちが繰り返し繰り返し、山口へやって来て、一時ではあるが山の生活を過ごすようになる。
寅夫さんは亡くなり、フサコさんの認知症は進んでいく・・・

さらに、生活は劇的に変化する。
大阪で寿司屋を営んでいた三女夫婦が、山口に移住することを決意するのだ。

このあたりは、図らずも落涙してしまった。
その後、フサコさんも亡くなるのであるが、寅夫さんとフサコさんがつくった「ふたりの桃源郷」は三女夫婦に受け継がれていく。

いやぁ、これも劇映画以上に劇的なドキュメンタリー映画だ。

巻頭巻末に映し出される空撮が美しく、まさに「ふたりの桃源郷」。

評価は★★★★☆(4つ半)としておきます。

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2016年映画鑑賞記録

新作:2016年度作品:99本
 外国映画64本(うちDVDなど 9本)
 日本映画35本(うちDVDなど 5本)←カウントアップ

旧作:2016年以前の作品:97本
 外国映画76本(うち劇場15本)
 日本映画21本(うち劇場 7本)
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コメント(2件)

内 容 ニックネーム/日時
本当に観てよかった作品ですよね。老後の理想というか・・。でも他人が撮ったからそう感じることができたので、当事者間ではもっとドロドロと大変だったことと思います。やっぱり、畑を受け継いだ三女夫婦がすごいです。よくここまでやったなと頭がさがる思いがしました。
ぷ〜太郎
2016/11/09 12:40
ぷ〜太郎さん、コメントありがとうございます。
まぁ、当事者間ではもっと確執があったと思いますが、そこいらあたりに踏み込まないことは、ある種、良識の範囲なのかもしれませんね。なにせ「桃源郷」のハナシですから。
りゃんひさ
2016/11/10 22:30

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