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zoom RSS 『山河ノスタルジア』:西へ向かった中国が喪ったもの @名画座

<<   作成日時 : 2016/11/04 00:31   >>

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11月の名画座鑑賞はジャ・ジャンクー監督の新旧2本立て。
1本目は最新作の『山河ノスタルジア』。
過去・現在・未来の三つの時代を舞台にした映画。

第1幕(1999年〜)は、スタンダードサイズの粗いビデオ画像。
山西省の炭鉱の町。
タオ(チャオ・タオ)とリャンズー(リャン・ジンドン)とジンシェン(チャン・イー)は幼馴染。
タオは女学生で、リャンズーは炭鉱で働いている。
ジンシェンは山っ気があり、炭鉱を買って、一儲けしたいと考えている。
三角関係であったが、タオとジンシェンは結婚し、子を生す・・・

第2幕(2014年)は、ビスタサイズ。
タオの結婚を機に町を出、別の炭鉱で働いていたリャンズーも結婚して子どもをもうけたが、重い肺病に罹ってしまった。
故郷の町に戻ってくるが、タオはジンシェンと別れ、息子のダオラーの親権もジンシェンが得ていた。
ある日、タオの父が亡くなり、タオは7歳になるダオラーを葬儀に呼び寄せる・・・

第3幕(2025年)は、スコープサイズ。
父親ジンシェンとオーストラリアに渡ったダオラー(ドン・ズージェン)も大学生。
故郷中国を思いわずらうだけの父親には常に反撥する。
自分のアイデンティティを喪っていたダオラーは、中国語クラスの初老の教師ミア(シルヴィア・チャン)に惹かれていく・・・

といった内容で、大河ドラマの形式を取りながら、中国が資本主義的変容を遂げていく中で喪った何かを描くというもの。

巻頭巻末をペット・ショップ・ボーイズの曲「GO WEST」が彩るのだけれど、ここでいう「西」は西側諸国。
共産圏に対する資本主義圏。
そういう意味では、とてもわかりやすい選曲なのだが、このわかりやすさが良い方向に働いていない。

前作『罪の手ざわり』でも感じたことだが、ジャ・ジャンクー監督はドラマの語りが上手くない。
上手くないのかどうかは別として、個人的に肌に合わない(合わなくなってきている)。

前作でも4つのエピソードを数珠つなぎ的に展開していたが、ひとつひとつのエピソードの尺が足りない感じがする。
今回も同じで、登場人物は一貫しているのだけれど、幕ごとに中心となる人物が変わっていき、そのそれぞれをもう少し深く描いてほしいなぁと思う。

つまり、中国という国が「西へ行く」ことで何かを喪ったこと、は映画からもわかるのだが、映画で観たいのはそういうことではなくて、登場人物たちの深い悲しみや遣る瀬無さ。
それには、どうしても尺が足りない。
ジャ・ジャンクー監督の過去作品のような語り口だと、この映画、たぶん6時間ぐらい必要だったのかもしれない。

評価は★★☆(2つ半)としておきます。

<追記>
スタンダードサイズ→ビスタサイズ→スコープサイズと変化する画面は、徐々に横に長くなって、世界が広がっていくことを現しているのだろうが、DCP上映では、スコープサイズは上下に黒味が残っていて、結果的にはビスタサイズの画面面積が一番広いということになってしまった。
これは、かなり残念。

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2016年映画鑑賞記録

新作:2016年度作品:100本
 外国映画65本(うちDVDなど 9本)←カウントアップ
 日本映画35本(うちDVDなど 5本)

旧作:2016年以前の作品:97本
 外国映画76本(うち劇場15本)
 日本映画21本(うち劇場 7本)
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