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zoom RSS 『アンジェリカの微笑み』:オリヴェイラ監督が夢見た彼岸 @DVD・レンタル

<<   作成日時 : 2016/12/12 21:58   >>

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2015年に106歳で他界したポルトガルのマノエル・ド・オリヴェイラ監督。
彼が2010年に撮った『アンジェリカの微笑み』、DVDで鑑賞しました。
過去に観たオリヴェイラ監督作品は2003年の『永遠(とわ)の語らい』だけなので、その巨匠度はわかりかねるのだけれど、まぁ、なんとも瑞々しいというか、詩的というか、そんな作品を100歳を過ぎて撮るのには感服する。
さて、映画。

ポルトガル・ドウロ河畔の小さな町。
そこで暮らす富豪の娘・アンジェリカが亡くなった。
死顔の写真を撮るべく町の写真館を訪れた執事であったが、あいにく旅行をしていて不在。
そんなことから、写真を趣味にしている石油会社勤務のイザクに、その写真撮影の話がやってきた。
屋敷に連れられて来たイザクが、死んでいるアンジェリカにカメラを向けると、死んでいるアンジェリカが目を開く・・・

というハナシで、大筋は『牡丹灯籠』を思わせるような怪異譚。
だけれども、怪談話と異なるのは、死人が生者に憑りつくのではなく、生者が無為のうちに死に近寄っていくところにある。

たしかに、生者イザクと死者アンジェリカがドウロ河の上を、体を寄せ合い飛んでいく描写もあるにはあるが、イザクが眠っている中での出来事であり、自ら進んで魅入られているような風情がある。
(この空中浮揚の描写は、二重露光のような単純な特殊撮影にみえるあたりが、特に詩的に感じる)

そして、アンジェリカに惚れてしまったイザクが撮るのは、鍬を振って畑を耕す農夫たち。
下宿屋の女将がいうように、現在では、機械で耕すのが普通なのに、古く廃れた(滅びたともいえる)農作業の様子に魅入られていく。
農夫たちが歌う歌声は、のびやかでおおらかで、もう滅びてしまったやり方なのに、生命に溢れている。

コンバインで耕す騒音とは、まるで違う。
現代が奏でる音は暴力的で、生きていくには値しない、とでもいうように。

たぶん、100歳を超えたオリヴェイラ監督がみた(夢想した)死の姿、彼岸の姿なのかもしれない。

ということでいえば、この詩的な映画、極めて私的な映画なのかもしれない。

ただ、観客的にはちょっと長いかもしれない(97分という短い尺だけれど)。
80分ぐらいでも撮れたようにも思うのだが、まぁ、それは余計なお世話というものだろう。

評価は★★★☆(3つ半)としておきます。

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2016年映画鑑賞記録

新作:2016年度作品:127本
 外国映画87本(うちDVDなど20本)←カウントアップ
 日本映画40本(うちDVDなど 6本)

旧作:2016年以前の作品:102本
 外国映画81本(うち劇場17本)
 日本映画21本(うち劇場 7本)
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コメント(2件)

内 容 ニックネーム/日時
嫌いではないですが、面白いわけでもなく、途中でウトウトとしました。オリヴェイラファンでないとだめかもね。
ぷ〜太郎
2017/01/08 02:51
ぷ〜太郎さん、コメントありがとうございました。
面白いかというと、まぁあまり面白くないですわねぇ。
りゃんひさ
2017/01/08 22:49

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