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zoom RSS 『五日物語 3つの王国と3人の女』:物語自身が持っている物語性を愉しむ @ロードショウ・シネコン

<<   作成日時 : 2016/12/05 09:17   >>

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大人向けファンタジー映画『五日物語 3つの王国と3人の女』、ロードショウで鑑賞しました。
そもそも、タイトルの『五日物語』って何なのかしらん・・・って、気になったので調べたところ、17世紀初頭、イタリア・ナポリで書かれた世界最初の民話集のこと。
ただし、正式な書名は「物語のなかの物語」(映画の原題「TALE OF TALES」は、これの英語訳ですね)。
で、通称が『五日物語(ペンタメローネ)』。
これは、1日ごとに10の物語が5日分語られる体裁が、1日ごとに10の物語が10日分語られるボッカッチョの『十日物語(デカメロン)』と体裁が似ていることによるものらしい。
と、後から得た知識は、ここまで。
さて、映画。

3つの国の3つの物語。

ひとつ目は、子供が欲しくて欲しくてたまらない女王(サルマ・ハエック)の話。
女王の願いを叶えるためには、海獣の心臓を食せ、と魔術師からの助言を得た国王(ジョン・C・ライリー)は命を賭して、怪獣の心臓を得る。
それを食した女王は、1日で身籠る。
しかし、海獣の心臓を料理した料理女も同じく身籠り、ふたりは同じような真っ白な男児を1日で産む・・・

ふたつ目は、好色な王(ヴァンサン・カッセル)に見初められる老女(ヘイレー・カーマイケル)の話。
姉とふたり暮らしの老女は、その素晴らしい歌声から王に見初められるが、王は彼女の姿をみていない。
王の執拗な求愛に、とうとう老女は、皮膚を切って皴を伸ばして寝屋を共にするが、本当の姿を王に見られてしまう・・・

みっつめ目は、大人の世界に憧れを抱く王女(ビビー・ケイヴ)の話。
早く結婚して城を出たいという執拗な彼女の願いを聞き入れた王(トビー・ジョーンズ)は、自分が秘かに飼っていた動物の皮の正体を言い当てた者に王女を嫁がせると国中にお触れを出した。
皮の正体は、犬ほどに巨大化したノミであり、言い当てる者などないと高を括っていたが、山奥に住む巨漢の醜い男が正解してしまう・・・

これら3つの物語が、綾なすタペストリーのように語られていく。

デヴィッド・クローネンバーグ作品の常連ピーター・サシツキーによる、緑や赤が鮮やかな画面は、濃密。
アレクサンドル・デスプラの音楽も重厚。
そして、どの物語も、おとぎ話だからといって、めでたしめでたし、とは、なりそうもない。

なんらかの教訓を得ようとか、幸せになれてよかったとか、そんな着地点を求めず、どのような結末を迎えるのか、本来、物語自身が持っている物語性を愉しみながら観ていく。
そんな映画。

ただし、よくよく観れば、登場する女性たちは三世代。
若い王女は自由を願い、中年の王女は子どもを望み、老女は若さを求める。
そして、彼女たち皆が、その願いや望みを得るのと引き換えに、何らかの大きな代償が伴っている。

原本から、この3つの物語を掬い上げたのは、なんらかの意図があるようにも思えるが、そんなことは考えないほうがいい。
物語自身が持っている物語性を愉しむ。
それは「映像によって物語を語る」映画本来のの愉しみ方なのだから。

評価は★★★★(4つ)としておきます。

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2016年映画鑑賞記録

新作:2016年度作品:120本
 外国映画81本(うちDVDなど17本)←カウントアップ
 日本映画39本(うちDVDなど 6本)

旧作:2016年以前の作品:102本
 外国映画81本(うち劇場17本)
 日本映画21本(うち劇場 7本)
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五日物語 3つの王国と3人の女
ロングトレリス国では、跡継ぎが生まれないことに悩んだ国王と王妃が、魔法使いの教えに従うことに。 ハイヒルズ国では、結婚を夢見る王女のために、父親である王が婿選びをすることに。 ストロングクリフ国では、国王に歌声を見初められた老女が、若さと美貌を熱望する。 3つの王国の3人の女の願いは叶えられるのだが…。 ダーク・ファンタジー。  PG-12 ...続きを見る
象のロケット
2016/12/06 15:43

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