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zoom RSS ユーリー・ノルシュテイン監督特集上映「アニメーションの神様、その美しき世界」: @ロードショウ・単館

<<   作成日時 : 2017/01/11 23:05   >>

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2017年は、単館系映画つるべ打ち連続鑑賞の幕開けで、3本目の劇場鑑賞がこれ。
ユーリー・ノルシュテイン監督特集上映「アニメーションの神様、その美しき世界」
ノルシュテイン監督が製作した10分〜30分のアニメーション作品6本の上映です。
何作かは以前にも観たことはあるのですが、今回はデジタル修復されたということで、その美しさたるや。
いやぁ、アニメーションの奥深さを感じました。

A・トーリンと共同で監督したデビュー作『25日・最初の日』(1968) ★★★☆

ロシア革命最初の日を描いたアニメーションで、黒を基調とした画面構成は当時流行した絵画手法。
重厚で、ショスタコーヴィチの楽曲が迫りくる。
最後に登場する「赤」が鮮烈な印象を残す。

ケルジェネツの戦い』(1971) ★★★★

スラブ地方の国家統一に至るまでの戦いを描いたアニメーションで、シネマスコープサイズ。
前作から一転して、極彩色が美しい。
画面デザインもロシアの伝統を感じさせるもので、絵画が圧倒的な迫力で動いていくことが感じられます。
リムスキー・コルサコフの音楽も迫力。

キツネとウサギ』(1973) ★★★☆

ロシア民話をもとにして製作されたアニメーションで、いわゆる子供向きに作られているが、画面構成や場面転換などは、かなり凝っている。
ところどころ画面のフレームにロシア調の装飾が施されて、スライドイン、スライドアウトなど、今日的(もしかしたら、紙芝居的かも)な手法も用いられている。
登場する動物たちのデザインも、ただ可愛いだけないあたりも興味深い。

アオサギとツル』(1974) ★★★☆

『キツネとウサギ』と同じくロシア民話をもとにして製作されたアニメーション。
舞台は限定的で、登場するのも女性のアオサギと青年のツルだけ。
相手の求婚を断るが、思い直しての逆求婚・・・の繰り返しというハナシだから、下手すると10分の尺でも退屈しそうなところを、キャラクターの動きや水墨画や浮世絵の技法を用いながら巧みにみせていきます。
今回上映された中では、もっとも軽い感じがする作品。

霧の中のハリネズミ』(1975) ★★★★★

以前(『霧につつまれたハリネズミ』のタイトルで『妖婆・死棺の呪い』の併映だったと思う)にも鑑賞しているが、今回は素晴らしく感銘を受けた作品。
わずか10分の中で、人生の不思議を感じ、人生観が転換を感じるハリネズミのヨージック。
霧につつまれた森の中から現れる動物たちの姿にハッとする。
特に、白い霧の奥から顔を出し、再び姿を消す白馬の美しさ。
遠い星空を美しく不思議に感じていたヨージックが、星空よりも身近に不思議が満ち溢れていることを感じて、まさしく「目が点」になるラストは、この歳になってからは身に染みる思いがしました。

話の話』(1979) ★★★★☆

今回の上映で最も長い30分で、ノルシュテイン監督版『ノスタルジア』ともいうべき作品。
確たるストーリーはないが、子守歌を歌うオオカミを狂言回しにして、赤ん坊の朧げな記憶を抒情詩として表現している。
しかし、そこには甘美な思い出は少なく、第二次世界大戦下の暗い思い出が核となっている。
その暗い思い出と母親の母乳の温かさが交互に描かれ、やはり遂には「ノスタルジック」な思いが増していきます。
アニメーション表現も熟成されているが、個人的には『霧の中のハリネズミ』の方が好きです。

1作品ごとにレビューしてみましたが、全体を通してみると、アニメーション作家として成熟していく姿がくっきりと刻まれていると感じました。
そのことは、2作品ごとに区切ってみればわかりやすく、はじめの2本は、歴史的事実を鋭角的なアニメーション技法で描く叙事詩、次の2作が民話を基にしたわかりやすい物語を洗練された技法で描き、最後の円熟期の2本は監督自身の内面に焦点を当て、それを円熟の技法で表現する、ということになります。
どの時代の2本も繰り返して観る価値はありますが、やはり『話の話』『霧の中のハリネズミ』の2本は「珠玉」と呼ぶに相応しいと感じました。



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2017年映画鑑賞記録

新作:2017年度作品:2本
 外国映画 2本(うちDVDなど 0本)
 日本映画 0本(うちDVDなど 0本)

旧作:2017年以前の作品:2本
 外国映画 2本(うち劇場鑑賞 1本)←カウントアップ
 日本映画 0本(うち劇場鑑賞 0本)
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