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zoom RSS 『とうもろこしの島』:寓意に富んだ力強い作品 @名画座

<<   作成日時 : 2017/03/02 15:50   >>

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珍しくもジョージア(旧国名・グルジア)の映画、2本立て。
映画は昨年秋に公開された『とうもろこしの島』と『みかんの丘』。
ジョージアというと、のんびりムードの映画作家オタール・イオセリアーニぐらいしかしらなかったが、ながらく内戦が続いているのを今回はじめて知りました。
鑑賞順に、まずは『とうもろこしの島』。

コーカサス山脈の南に位置するジョージア。
春になると雪解け水により、河の水量は増し、周囲の土地は水浸しになり、漂流物が堆積する。
その代わりに、河の真ん中には雪解け水が運んできた肥沃な土砂でできた中州が出現する。
その中洲は、見つけ、耕すものの土地だ。

ジョージアとそこから独立しようとしているアブハジアに挟まれたある河。
アブハジア人の老人が中州を見つけ、掘立小屋を建て、土を耕し、とうもろこしの栽培をする。
老人には、少女期を迎えようとしている孫娘がいる。
孫娘の両親はすでに死んでいる。

中州の周りでは、常にアブハジアの兵士が行き交い、ジョージア兵の探索を続けている。
そんなある夜、複数の銃声がし、あくる朝、老人は畑の中で傷ついたジョージア兵を見つける。
見殺しにするには忍びない老人は、小屋の中でジョージア兵を介抱するが・・・

というハナシで、冒頭は老人がひとりで小屋を建て、畑を耕すシーンが台詞もなく、黙々と映し出される。
この長い冒頭が、すこぶる良い。
どう言えばよいかわからないが、描写のひとつひとつが力強い。

そして、登場する孫娘。
その可憐な姿は、清々しい。
大人になる前のひとときの清々しさ。
河を行き交う兵士ならずとも、見入ってしまう。

中盤、傷ついたジョージア兵が登場するまで、物語はほとんど動かない。
しかし、後半から終盤にかけて、物語がダイナミックに動いていく。

初潮を迎えた少女が、大人の男として兵士を心に留めるが、この戦火のさ中、対立するもの同士が心赦しあうことは許されない。
アブハジア兵たちの追求からジョージア兵を一旦は守った老人であったが・・・(この後の出来事は、映画では描かれない)。

とうもろこしは刈入れの時期を迎える。
少女とともに刈入れを行っている最中に、天候が激変して豪雨となり、河は一気に濁流となり、刈り残したとうもろこしや小屋もろとも、中州を飲み込んでいく。
すんでのところで、娘は手漕ぎ船に乗り込み助かるが、老人は中州もろとも飲み込まれてしまう。

このシーンの描写は凄まじい。
荒れ狂う自然のなかで、なすすべのない人間。
そんな自然のなかで、対立している人間たちの小ささ、愚かさ。
そんなことを感じさせる、考えさせるシーンだ。

そして、再びの春。
中州はふたたび同じところに姿をみせる。
別の男が中州を見つけ、中州のなかに埋もれた老人と少女の忘れ形見を見つける・・・

久しぶりに寓意に富み、力強い作品だった。

評価は★★★★☆(4つ半)としておきます。

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2017年映画鑑賞記録

新作:2017年度作品:20本
 外国映画16本(うちDVDなど 1本)
 日本映画 4本(うちDVDなど 0本)

旧作:2017年以前の作品:18本
 外国映画15本(うち劇場鑑賞 4本)←カウントアップ
 日本映画 3本(うち劇場鑑賞 0本)
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