キネマのマ 〜 りゃんひさ 映画レビューなどなど

アクセスカウンタ

zoom RSS 『岸辺のふたり』マイケル・デュドク・ドゥ・ヴィット監督:短くても芳醇で豊饒な短編アニメーション @T

<<   作成日時 : 2017/07/10 00:25   >>

ナイス ブログ気持玉 1 / トラックバック 0 / コメント 0

画像

休日、ガチャガチャとチャンネルを廻していて(死語)、ショートショートフィルムフェスティバル関連の30分番組を見つけて観たのがこの作品、『岸辺のふたり』。
9分程度の台詞もないアニメーション作品なのだが、これを観てスタジオジブリの鈴木プロデューサーが長編の『レッドタートル ある島の物語』のプロデュースをしたいと思ったとのこと。
そんなことは後に知ったのだが、それよりも先に日本でも劇場公開され、観たひと誰からも高評価だった作品。
観たかったのだが、レンタルにはなく、『レッドタートル』のBlue-rayには同時収録されているが、我が家には設備がなく・・・
というところで、今回のチャンス。いやぁ、よいことは意外にも転がっているようで。
さて、映画。

画像


父と幼い娘。
自転車に乗って川辺にやってきたふたり。
父はボートに乗り込み、どこかへ出てゆく。
残された娘は、父の帰りを待ちわび、て自転車で、父が旅だったところへ毎日のように赴く。
しかし、父は還らず、娘はいつしか老いてしまう・・・

というハナシで、老いた娘がみた岸辺は、いつしか水も減り、葦の原になっている。
そして、その葦原を歩いていくと、旅立った父のボートがあり、その中でやすんでいるうちに父親と再会する・・・という結末を迎えるシンプルなもの。

そのシンプルな物語をシンプル線描で綴っていくアニメーションは、「動かないものが動く」アニメーションの本質的な美しさを感じさせてくれる。

船で出てゆく父親。
父の名残を自転車で繰り返し繰り返し追い、待ちわびる娘。
その繰り返しに、長い長い時間を感じさせる。

描写は単純。
駆けてくる自転車に乗った娘を正面から描くのと、岸辺の道を右から左へとやってくる図、ほとんどその2パターンだけ。
だが、そのふたつの構図を工夫を凝らし、わずかな違いで「時」を感じさせる。
見事というしかない。

この作品、見事のひとことに尽きるのだが、9分あまりの短編でありながら物語の前後は閉じていない。
観るものに前後を感じさせるのである。
父と娘の別れる前の物語、父と娘が再会してからの物語・・・

物語が「ある」とか「ない」とかは関係ない。
物語が存在しているように感じるのである。

この閉じられていない感じをつかんで、鈴木プロデューサーは長編をつくることに挑んだのかもしれない。
そんなことすら感じさせる、短くても芳醇で豊饒な短編アニメーションだといえる。

ということで、評価は★★★★☆(4つ半)としておきます。

------------------
2017年映画鑑賞記録

新作:2017年度作品:47本
 外国映画37本(うちDVDなど 7本)
 日本映画10本(うちDVDなど 0本)

旧作:2017年以前の作品:42本
 外国映画36本(うち劇場鑑賞 9本)←カウントアップ
 日本映画 6本(うち劇場鑑賞 1本)
------------------

テーマ

関連テーマ 一覧


月別リンク

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!
ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。
→ログインへ
気持玉数 : 1
ナイス

トラックバック(0件)

タイトル (本文) ブログ名/日時

トラックバック用URL help


自分のブログにトラックバック記事作成(会員用) help

タイトル
本 文

コメント(0件)

内 容 ニックネーム/日時

コメントする help

ニックネーム
本 文
『岸辺のふたり』マイケル・デュドク・ドゥ・ヴィット監督:短くても芳醇で豊饒な短編アニメーション @T キネマのマ 〜 りゃんひさ 映画レビューなどなど/BIGLOBEウェブリブログ
文字サイズ:       閉じる