『街のあかり』:追記>女と男で観点は違うのかしら

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「映画日記2005」( http://plaza.rakuten.co.jp/eiga2005nikki/) を開設中の 優駿0227さん と、『街のあかり』についてやり取りをしましたので、「追記」として掲載します(青文字が優駿0227さん、黒文字がわたしです)。

◇◆◇◆◇◆◇◆

「余韻がないんだよねぇ」のアキ・カウリスマキ「街のあかり」は、私は、あれはあれで良かったと思ってます。
突然、突き放したように終わるのも嫌いじゃなかったです(だらだらと長いエピローグは好きじゃないし)。


本作品では「まさしく(自分自身にすら)敗者」であり、温かい余韻などをアキ・カウリスマキは描こうとしていないように思われます。

う~ん、たしかに最後まで“敗者な男”ではありましたが、そんなどうしようもない男でも、それでも見捨てずに駆け寄って来てくれる女がいる。だから、この男は幸せ者なのだ。と私は思いました。

という感想を持つことも可能と思います。そのように思えるかどうかで、観客の幸福度合いが測れるのかもしれません。

この男にとっての「街のあかり」は、ホットドッグ売りの女主人だった。それがやっとわかったからこそ、コイスティネンは、ホットドッグ売りの女主人が差し伸べた手を《握った》のですよ。
りゃんひさサンのレビューでは「ホットドッグ売りの女主人は、やさしくコイスティネンの手を握り・・・。」で終わっていますが、私は、コイスティネンがホットドッグ売りの女主人の手を“握り返した”のを見た気がするのですが。
何しろ唐突すぎるほどの速さでENDでしたから一瞬のコトでしたが。

一瞬でも、コイスティネンが女の手を“握り返した”とすれば、りゃんひさサンがいうように「二人は顔を合せない、視線は交わさない。握られた手は、素早くフェードアウトして画面から消えていく」としても、彼女は「あなたのことが心配なのと思い」、男は「それを理解した」と描かれたことになりますよね?

だから一瞬のことでも、女の想いは受け入れられたように思えたのですが、それは私の願望とか、思い込みだったのでしょうか。

「俺はこんなところで終わる男じゃない」と言い放つコイスティネンの本質は何があっても変わらない。ただ、明け方のあの場所はかなり寒かったはず。満身創痍の男の手に、彼女の手は柔らかく温かったのではないでしょうか?
冷たい自分の手に、温かい手を乗せられたから、生理的な反射で握っただけなのかもしれません。それでも最後の一瞬、コイスティネンは、女の手を“握り返した”。私はそう思いたいのかもしれません。

それによって レビューにあるような「芯まで敗者の物語」のラストシーンの印象は大きく変わっていきますよね。
感動的なヒューマンドラマなんて意図しない本作はその分、リアリティーを感じました。
だって、こういう人、実際にいそうじゃないですか。良く言えば、『不器用な人』ですよね?

そして、こんな男のドコがい~んだか知らないけど、いつも近くにいて、心配してくれる女がいる。良い話じゃないですか。
だって、この男は“孤独じゃない”。皆に疎んじられて、ダメダメな男。でも、一人じゃない。
あんなに寒々とした街の中で、駆け寄って来てくれる女がいる。

それだけで心温まる話じゃないですか。これがこの映画を見た私の感想です。


多分、優駿0227さんがいうとおり、握り返していたのでしょう。
ただ、ちょっと凹んだときに、この作品を観ると、どうしても「負け犬」気分になってしまいます。
それとも、握り返されている手/握られている手の温かみを感じないほど、「負け犬」の気持ちは鈍感になっているのかもしれません。
ここいらあたりは、やはり、観る側の心の高揚度によるのかもしれません。

そうでしたか・・・。
特に男性は、コイスティネンの気持ちに同調しやすいのではないでしょうか。
「俺はこんなところで終わる男じゃない」と言い放つ。孤独なコイスティネンの気持ちが、よくわかるから、見ていて辛いのでは?
男性は、プライドや見栄で自分を支えている面がありますものね(は~っ、男ってタイヘンそう! 女でヨカッタわ)。


そうですね。男って、結構凹みやすいものなのですよ。

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