『パラダイスの夕暮れ』:カウリスマキらしさはここにある:特集上映で観賞しました。

画像
アキ・カウリスマキの「労働者三部作」の第一作『パラダイスの夕暮れ』を特集上映「カウリスマキのあかり、ふたたび」にて観賞しました。
「労働者三部作」の第二作、第三作は『真夜中の虹』『マッチ工場の少女』です(言わずもがなですが『浮き雲』『過去のない男』『街のあかり』は「敗者三部作)。
前二本は初公開時に観賞していたので、本作品は非常に気になる一本でした。
また、先年、先に観た妻が「余韻があってよかった~」といっていたので、「どんなもんかいな」と気になっていました。

さて、本作品、非常に好感が持てるアキ・カウリスマキ初期の傑作との風評に違わない出来と味わいでした。

ストーリーを一言でいえば、ゴミ収集員のマッティ・ペロンパーとスーパーマーケットのレジ係のカティ・オウティネンの恋愛模様を淡々と綴っていくだけなのですが、最新作『街のあかり』で見られるほどの演出演出したところがなく、自然体で撮ったカットを映画的に繋いでいくあたりに躍動感を覚えるものでした。

冒頭、ゴミ収集をするペロンパーのショットの積み重ねなどは、「おお、これがカウリスマキなのかい」と思うほど、アングルを変えた短いショットを繋いでいきます。

また、カウリスマキのミューズ、カティ・オウティネンが若いだけあって、少々悪女っぽい素振りを見せたりして、「う~ん、なんとなく皆が惚れるの判るなぁ」なんて思ったりもします。

さらに、カウリスマキ作品でしばしば登場する小博打(今回はビンゴですが)は、ペロンパーとオウティネンの初デートで訪れる場所。
ここで「ツキは簡単には巡って来ない」モチーフが用いられています。

全編カウリスマキらしさが満載なのですが、終盤、ペロンパーが暴漢に襲わてしまうあたりや、その後の「思い立ったが吉日、出た日が命日」とばかりに、ペロンパーがオウティネンと向こう見ずに旅立つ歌謡映画ばりのラストも、おぉ、ロマン感じる、切なく、温かいものでした。
先に観た妻が「余韻があってよかった~」といっていたのにも納得。

『街のあかり』と通じるところも少なからずあるので、「労働者三部作」「敗者三部作」の6本を順番に観ていくと、上手く円環が閉じたような感じがするかも知れません。

<追記>記事冒頭のピクチャを入れ替えました(2007/08/21)。先に掲載のピクチャも気に入っているので、下に残しておきます。

画像




ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!

ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。

→ログインへ

なるほど(納得、参考になった、ヘー)
驚いた
面白い
ナイス
ガッツ(がんばれ!)
かわいい

気持玉数 : 0

この記事へのコメント

この記事へのトラックバック

  • 街のあかり

    Excerpt: 2006年 75分 監督 アキ・カウリスマキ 出演者 ヤンネ・フーティアイネン、マリア・ヤンベンヘルミ、マリア・ヘイスカネン、イルッカ・コイブラ、カティ・オウティネン 夜勤の警備員の仕事を.. Weblog: ビデオ鑑賞日記 racked: 2008-01-09 20:14