『魂萌え!』桐野夏生を読みました、映画化と比べる

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本年平成19年前半に風吹ジュン主演で映画化なった『魂萌え!』の原作を読みましたので、映画化作品と比べてみると・・・

まず、桐野夏生の文章が非常に上手い。
会話から地の文へと移行した後、間接話法で主役の敏子の想いを巧みに挿入していくので、読者側が敏子の心情に共感を得やすくなっていました。中年男性の域に生きるわたしとしても、「へぇ、そうなんだ」とか「判らいでもないなぁ」なんて思うことしきりでした。

物語的には、中盤までは、概ね映画化作品も原作を活かしていますが、後半は大きく異なりました。

映画化作品では比重の軽かった敏子の息子と娘との関係や、敏子の友人三人娘との関係や、敏子が一度だけの不倫のキッカケとなる蕎麦食べ歩きの会の重点が大きくなってきます。

これらの人間関係が、敏子の心情の振幅に大いに作用し、自身の心の動揺に抗ったり従ったりするさまは、やはり映画では表現できない(できていなかった)ことを再認識しました。

映画化作品では、後半に敏子が映画館に入り、映写技師へと自立するオリジナルのストーリーが用意されているのですが、このオリジナルストーリーは、ややもすれば、映画人としての気概や自負から創出されたものであり、作品全体としては余りいただけなかった印象を再度思い起こしてしまいました。

映画化作品に満足された方、満足されなかった方のどちらも一読されることをお薦めします。


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