『牡丹燈籠』フィルメックス山本薩夫監督特集にて

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中川信夫『東海道四谷怪談』、森一生『怪談蚊喰鳥』と並ぶ日本怪談映画の一本ですが、久方振りに再鑑賞しました。初鑑賞は25年ほど前に、加藤泰監督『怪談お岩の亡霊』、美空ひばり主演『番町皿屋敷』との三本立てで「納涼怪談まつり」のような企画上映で観ました。

脚本は、溝口健二作品『雨月物語』『西鶴一代女』や『悪名』シリーズなど依田義賢。主役の新三郎とお露の身の上を武家社会への抵抗と捉えた物語は、社会派の山本薩夫監督らしい味付けです。

また、新三郎とお露の関係は、亡霊に魅入られた男の恐怖譚ではなく、生と死の境界を越えた一種の純愛物語として描いているあたりも美しくて、もの哀しい想いがします。

新三郎役の本郷功次郎、お露役の赤座美代子の代表作といってもよいのではなかろうか。

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さらに、日本の怪談の常套展開としての欲得強欲譚を新三郎の隣家の伴蔵・おみね夫婦に委ねて展開していくあたりも見応え充分でした。

伴蔵役の西村晃はいつもながらの快演怪演、おみね役の小川真由美もはちきれんばかりの若々しい肢体で後の悪女ぶりを予見させるような勢いのある演技です。

日本の怪談としての愛憎愛欲を純愛へと昇華し、欲得強欲振りをも含んだ物語を90分弱で魅せ切るあたりは、やはり相当な出来栄えでしょう。

<追記>
怖いか、といわれると、それほど怖くないですが・・・。

<残念ながら、DVDは発売されていないようです。>

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