『旭山動物園物語 ペンギンが空をとぶ』:陽はまた昇る、あさひは昇る、泪は流れる

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昨年2008年晩秋に旭山動物園を訪れましたので、感慨も一入(ひとしお)。
とはいえ、観るまでは、「ただ動物がカワイイだけなのだろうか」とか、はたまま「プロジェクトXばりの、やり遂げましたムービーだろうか」なんて、不安もありました。
しかしながら、映画を観ているうちに、ボロ泣きになってしまうシーンなどもあり、マキノ雅彦監督に初めて「やられた」と思った次第です。

映画が成功した要素として、あくまでドラマ、ひとびとの葛藤の物語として描いた点にあります。
冒頭、虫を愛でる少年が映し出されて、些(いささ)かギョッとします。
その少年が、ひととのコミュニケーションが上手くいかず、しかしながら、物語の後半で旭山動物園の起死回生の提案をして、実行に移していく人となっていく、そんな、人としての成長物語と、旭山動物園との再生の物語とも二重映しのように構成した脚本が見事です。
エンドタイトルで、テレビドラマ『相棒』の輿水泰弘と知り、むべなるかなと思いました。
その少年の成長した姿を演ずる中村靖日の好演も見逃せません。

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それ以外にもドラマとして、飼育員同士のエピソードが泣かせます。
愛情を注ぎすぎた故にメスのローランドゴリラを死なせてしまう岸部一徳。
チンパンジーの繁殖成功に喜んだ余りに、他の動物の犠牲になってしまう長門裕之。

動物たちが垣間見せる愛情表現や雄雄しい姿、愛らしい姿も見逃せません。
特にボロ泣きしてしまったのは、妊娠したメス・チンパンジーとその夫のオス・チンパンジーとのやりとり。
妊娠中毒症に罹(かか)ってしまい、低カロリー療法でしのがなければならないメスに対して自らの餌をオリを隔てて手渡しするオスの様に、ボロ泣きでした。

再生の物語、そして主役が西田敏行ということもあり、数年前に製作された『陽はまた昇る』を思い出しました。
が、昇るのは当然、「あさひ」なのですから。

凹み基調の現在にあっては、必見の映画ではありますまいか。
マキノ監督の心意気を評して、★5つを進呈します。

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<追記>
マキノ監督、ラストカットに登場ですね。

<さらに追記>
冬雪化粧の旭山動物園にも行ってみたくなりました。

↓Myムービーのレビュー&採点はコチラから↓
http://info.movies.yahoo.co.jp/userreview/tyem/id330766/rid34/p0/s0/c0/

↓DVD&ブルーレイはコチラから↓
 

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この記事へのコメント

ぷ~太郎
2009年02月08日 15:11
初日に勇んで観て来ました。マキノ監督の前作がひどかったこともあり、甘ったるい動物ものかいなとの不安もなかったとは言えませんが、やはり動物好きとしては見逃せません。
そして、癒されて帰ってきました。
ゴリラが人間に恋したあまりのエピソード、りゃんひささんが涙したチンパンジー夫婦のエピソード、すごくよかったです。
もう絶対、冬の旭山動物園に行ってやるぞ~と思ってしまいました。
それにしても、マキノ監督、お兄さん(長門裕之)をよく映画の中で死なせますね。
2009年02月08日 22:56
コメントありがとうございました。
冬の旭山動物園も行ってみたくなりますね。
だから公開がこの時期なのかしらン。
「それにしても~」以降のこと、確かにそうですね。これは兄弟仲がいい証拠なんでしょう。

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